カテゴリ:最新の脳科学
山富浩司氏のお話です。
ハーバード大学が2250人を対象に行った「マインドワンダリング(心の迷走)に関する大規模な行動心理調査」によると、私たちが「目の前のこと以外のことを考えている」状態は、実に日常の生活時間の47%にものぼるそうです。 つまり「目の前のこと」に意識がある時間は、53%に過ぎないわけです。 目の前のこと以外のなにを考えているかといえば、過去に起こった出来事や、また起こってもいない未来のことです。 要するに、「心ここにあらず」の状態が頻繁に起きているのです。 心がフラフラとさまよっているという意味で、心理学ではこの状態を「マインドワンダリング(心の迷走)と呼んでいます。 これは森田でいう雑念のことだと思います。 雑念は自然現象なので人間の意志の自由はありません。 しかし本来の目的を忘れて、雑念に振り回されてしまうのは問題です。 雑念に振り回されてもよいのですが、最終的には本来の目的に戻ることが肝心です。 森田では「どんなに忙しくても、今できることは一つしかない」と言います。 これを心がけて生活すると心の迷走は軽減できます。 これに対して本来なすべき目的があるにもかかわらず、別のことを考えながら手掛けていると問題が発生しやすくなります。 二つのことを同時進行で行う行為をマルチタスクといいます。 二つ以上の課題に同時に取り組むことです。 マルチタスクは、脳に大きなストレスを与えることが分かっています。 スタンフォード大学の研究では、マルチタスク傾向の強い人は関連する情報の取捨選択が苦手なうえ、タスクの切り替えもうまくいかなくなります。 脳内では情報を記憶する場所に異変が起きています。 記憶情報は海馬に送られます。 ここで短期記憶と長期記憶に分けられます。 長期記憶は大脳皮質へと送られます。 マルチタスク傾向の強い人の情報は、線条体に送られることが分かってきました。 ここに送られた情報は、後から思い出そうとしても思い出しにくくなります。 つまり記憶力や学習能力の低下を招いてしまうことになります。 たとえば玄関の戸締りをするとき、他のことを考えながら施錠をすると、しばらくしてからきちんと施錠したのかどうか不安になるようなことが起きます。 マルチタスク傾向の強い人、絶えず過去のことを後悔し、将来のことに取り越し苦労している人は、線条体が過剰に活動して損傷を受けやすくなります。 その結果様々な障害が起きてきます。 神経症との関係では、強迫観念、強迫行為、依存症の発生原因となります。 森田の「今できることは一つしかない」をスローガンにして、「今、ここ」に注意や意識を向ける習慣を作りあげたいものです。 「二兎を追うものは、一兎も得ず」は真実だと思います。 (願望実現脳は1分でつくれる 世界一かんたんなマインドフルネス法 山富浩司 大和出版参照) バナナのたたき売りに参加しました。13本100円でゲットしました。 最初から我先に手を挙げる人は高値で入札していました。 しばらく様子を見ているとそのうちドンドン値下げをしてくる。 頃合いを見て中央付近に陣取りニコニコしていると売ってくれる。 それにしてもこういう時の女性はたくましい。落札者のほとんどは女性でした。 ちなみに世界一のバナナの産地はインドだそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.09.09 06:20:11
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