カテゴリ:行動のポイント
62歳で登山を始め、日本300名山を始め、2000以上の山を制覇した田中三郎さんという人がいる。
身長は153cm、体重は51kgの小柄な体格の方です。 田中さん曰く。 登山は絶対安全ということはありません。 山は危ないと心得るべきだ。 私は臆病者なので、いつも細心の準備をしています。 100%どころか、130%の安全対策を行っている。 登山は一瞬で命を落とすこともあるのだから、臆病な神経質者に向いている。 たとえばキリマンジャロね。 それほど難しい山ではないけど、標高は5895m、高山病が心配なんです。 案の定、日本から一緒に行った大学山岳部の学生たちは、高山病でやられました。 でも私は平気、高さに慣れようと、富士山の山中で2泊したんです。 これが、30%の安全対策。 人によっては300%の安全対策をというけれど、それなら山をやめたほうがいい。荷物が重くなるばかりで、ぎっくり腰にもなりかねないしねえ。 私の体力だと、25kgの荷物を背負うのが限度。 だから安全対策といっても、食料や装備を必要以上に多くするのではなく、山に行く前に、30%分の安全を確保するのです。 週に1回は5kmを速足で歩く。 あとは地図と気象、救護法の基礎知識を学ぶ。 ロッククライミングの練習。 プロのガイドについて基礎から始めれば誰でもできます。 最初は3mくらいの岩から始めました。 スキーだって、冬山に行きたくて70歳から始めました。 それでもバッジテストで2級が取れた。 何かを始めるのに、遅いということはないと思いますね。 山に入ってからも、注意することは山ほどあります。 たとえば、けがは午後3時以降に多いのですが、これは疲労が原因です。 だから疲れる前に休憩を入れ、3時以降は無理をしないこと、私は出発前に必ずビタミン剤を飲みますが、これも疲労による筋肉の硬直を防いでくれます。 それから登山は単独行動は絶対に避けること。 全国各地に、さまざまな山登りの同好会がありますから、そういう団体に所属することです。そこで経験を積むことです。 たとえば、冬山の零下20度というと、水筒の水は凍結するし、カメラのフィルムも凍って切れちゃう。だから、カメラや水筒は抱いて寝る。 こんなことも私は知らなかったのです。グループに入って、リーダーの指導を仰がなかったら、登山を続けることはできなかったでしょう。 体力以上に、経験とそれがもたらす技術が、登山者の命を支えてくれている。 はじめての山に登るときは地図やガイドブックを見るだけではなく、経験者にルートを教えてもらい、どのルートが最も安全かトコトン研究します。 それでも不安な時はプロのガイドを案内に頼むのです。 実力のあるガイドで5万円くらい。平均3万円くらいです。 命の値段と考えたら高いとは思いません。 奥さん(77歳)は、最初は「山ほど嫌いなものはない」と言っていた。 それがためしに連れて行ったら。たちまち虜になった。 もう300名山のうち64山に登っている。 (上手な老い方 草緑の巻 小学館 166~171ページ参照) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.10.25 06:31:04
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