中東の青年たちの野望
中東の人口の30%は若者だともいわれています。若者が非常に多いのが中東の特徴。まぁ一家で5人も6人も子供がいるような家庭が今でも普通ですから、当然若者の数も多いわけです。 中東の20代の若者たち (特に男性) に「将来の夢は?」と聞くと、よく返ってくる答えが「有名になりたい!!!」というもの。...フム、非常に野心的ではあるが、かなり漠然としていますな。が、ヨルダン・レバノンを問わず、このように即答する若者が多くて面白い。さらに中東の青年たちの特徴としては、「有名にはなりたいが、努力はしたくない」。そして「有名になるためにはお金が必要、だから働く。働いてお金を貯めていつか有名になってやる」というような思考が多いような気がします。お金を貯めて有名になる...、どうやって?? と思いますが、彼らには特にはっきりとした方法があるわけではありません。ああ、なんて短絡的!!!かくして、若い時から金の亡者のようになり、やがて適齢期に入ると結婚し、貯めたお金はすべて結婚式に散在し、わがままで物質的な妻にお金をつぎ込み、有名になるという夢は叶うはずもなく、カネ、カネ思考のまま生涯を終える...これが中東の男性の一生。もちろんビジネスマンとして成功する場合もあります。特にレバノン人は一般的に優れたビジネスセンスで知られていて、海外で大きく羽ばたくケースもあります。こういう一握りの若者たちのニュースを聞いて、「俺もいつか有名になる」と心に誓うアラブ青年も多いことでしょう。が、基本的にアラブは努力することが嫌いな国民ですから、20代で社長とかになりたい。親にお金がある場合は、資金を援助してもらって会社を始める若者も多いです。中東ではお金さえあれば起業するのは簡単。一平社員として努力したくない若者たちが、勇んで起業します。もちろん経験もスキルもないので商売がうまくいくわけはありません。一攫千金を狙いますが、うまくいかずに倒産というケースもあれば、ふうふういいながら何とか会社は続けますが、利益などはほとんどないというケースも多いです。さあ、こんな中東。思考がかなり大胆 (単に「単純」ともいう) かつ短絡的。日本の堅実なビジネスマンにとっては、アラブとのビジネスは時に意味不明かつ頭痛の種かもしれません。深遠なようでいて実は非常に単純なアラブ社会。相互理解はまずアラブ的思考を理解することから、でしょうな。 秋のヨルダン散歩。http://picturesque-jordan.jp/japanese.aspx