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月の砂漠-ヨルダンから

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2012.02.06
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カテゴリ:レバノン生活編
「ルブナーン」とはアラビア語で「レバノン」のことです。私は合計1年半ほどレバノンに住みましたが、そのうち2ヵ月半はスペインにいましたし、日本への一時帰国などの期間も考えますと、実質的なレバノン滞在は1年2ヶ月ほどになるでしょうか。

さらば、ルブナーン昨年8月の終わりに、レバノンのアパートはすでに引き払っていました。引っ越してきた当初からレバノンにはあまり長く住むつもりではありませんでしたが、いつ頃去るかという具体的な日付は決まっていませんでした。

それが昨年8月の時点でレバノンを離れることを心の中で決意しまして、その後は引っ越しに向けた準備を少しずつ整えていたわけです。

というわけで、今回の日本への一時帰国の際に「さらば、ルブナーン」!! もうレバノンで暮らすことはないでしょう。色々と理由はあるのですが、一番大きな理由は「核の汚染」。何回かこのブログでもお伝えしていますが、内戦時代に核廃棄物を諸外国から買い取って地中に埋めているレバノン。そのうえ、2006年でしたか、イスラエルの攻撃の際にはウランが弾丸に使われていたそうで、レバノン南部の都市ではウランによる汚染が一時ひどかったとか。

ウラン使用の目的は「将来の世代を破壊すること」という情け容赦ないものです。今後、イスラエルとの間で戦闘になった際に、また使用されないという保証はありません。

こうした諸事実をレバノン政府は国民に知らせていません。レバノン人は極めて無知で、ほとんどの人が水道水を「安全だ」といって飲んでいるような国です。が、否定できない現実として、ガン患者の急増。戦争を知らない若い世代もガンで亡くなっていきます。

さらに核の汚染とまではいかなくても、ベイルートの公害はかなりひどいのです。夜になると海からゴミのくさ~いニオイが漂い、日中は黄色いスモッグで上空が覆われています。太陽が見えない街、ベイルート。しかし、レバノン人の誇りは健在。「レバノンほどきれいな国はない」と豪語してはばかりません。

さらに政府の汚職が原因で、日々の電気すらきちんと供給されません。誰もが知っているこの政府の汚職。だけど何十年もそのまま。レバノンという国ほど、「improvement (進歩)」とは程遠く、「backward (後退)」という言葉がぴったりと当てはまる国もそうないのでは…??

悪いけど、こんな国に住んではいられない!! それでも自分なりの目標があって移動してきた国でしたので、すぐに踏み切れませんでした。それにここでかけがえのない友達をたくさん得ることができました。レバノンでできた友達には、サヨナラを言うのが本当につらかったです。

でも、健康はやっぱり大切。わざわざ汚染地域を選んで住み続けることは、やはりできません。思い返すと、ベイルートに住んでいた間、いつも体がしんどかったのです。午前中の活動を終えるとクタクタで、家に帰ると横にならなければやってられない。これって汚染の影響だったのだと思います。

スペインで過ごした期間中、自分がすごく元気に1日中活動できることに驚きました。レバノンでは体があれほど重かったのに…年かなぁと思っていたのですが(笑)、実は環境のせいだったのでしょう。

さてそんなわけで、レバノンとはサヨナラしまして、今後の私の行き先ですが、ヨルダンに戻ることになりそうです。すべては ″Insha' Allah (インシャ アッラー、つまり″神のご意志なら″)″。まだまだ中東でしたいこと、しなきゃいけないことがあります。語学の学習もそうです。道で覚えたアラビア語、日常会話には困りませんが、今度は基礎からしっかり学びたいと思います。

心の中でヨルダンに「またよろしく」と挨拶している今日この頃です。


足跡春休みはヨルダン散歩。http://picturesque-jordan.jp/japanese.aspx





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最終更新日  2012.02.07 20:58:46
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