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カテゴリ:あれこれ アラブ世界
あと10日ほどでヨルダンに戻ります。弛緩しまくっていた全身の筋肉がピリッと締まり始めるのが帰国前のこの時期。
いつものことですが、日本に帰国した直後は全身がダランと弛緩し、ただただボケーッと過ごします。やがてこの″弛緩期″ を過ぎ、中東生活を懐かしく思い始め、帰国の日を心待ちにし始めます。でもまた弛緩モード。で、帰国前10日ほどになると、いよいよ緊張感が走り出します。この緊張感がいいですね(笑)。心なしか顔も引き締まってきます。 さて、このブログでも何度もお伝えしていますが、アラブのメンタリティと日本人のメンタリティは本当に違う。でも違いさえ分かれば、なんてことはない。本当の意味で「違い」を分かるまでが結構しんどかったりもしますが、いったん分かれば後はけっこうスムーズなアラブ社会。 アラブ社会と日本社会の決定的な差の一つは、「失敗への見方」でしょうか。端的にいえば、アラブ社会は失敗にはいたって寛容。日本社会はきわめて不寛容、といえるのではないでしょうか。 特に日本のビジネスシーンでは、小さな失敗も致命的。ほんの小さな失敗で、これまでやってきたすべての努力が帳消しになり、水の泡と化します。アラブ社会では、失敗は「あって当然」のこと。自分の失敗にも甘いが、人の失敗にもかなり寛容。 だから人と付き合うときも、アラブの場合、がっかりさせられることは想定内。自分の失敗も他の人の失敗も常に想定内なのです。がっかりさせられて、特にはボーン と爆発しても、しばらくすると何事もなかったかのように付き合うのがアラブ。 日本人とは、そうはいきません。一度失敗したらなかなか許さない。信頼回復にかなりの労力と時間が必要で、特にビジネスでは関係を切られて、はい、オシマイ。 日本人流ビジネス手法で関係を切り続けていると、アラブでは最後に残るのは自分ひとりとなってしまいます。これを体得するまでに、私もけっこう時間がかかりました。 もちろん、だからといって失敗をしていいわけではありません。だけど、失敗に寛容なアラブの精神は、ある意味見倣うに値します。ビジネスだけでなく対人関係でも、とかく完璧さを求めがちな日本人と違い、アラブ社会では「まず失敗ありき」の精神で取り組む。私もアラブ社会でもまれて、知らず知らずのうちに「寛容さ」を訓練されてきたと思います。 さて、この度のヨルダン生活。きっとまだまだ知らないアラブ社会の別の「顔」がたくさんあることでしょう。「何でも楽しむ。他の人の失敗も楽しむ」の精神で乗り切っていきたいです。あまりにつらく堪えがたいことは、このブログで吐き出す(笑)。つらいこともネタにして笑い話にすれば、乗り切れる(はず)!! では引き続き皆さま、お付き合いくださいませ。 夏のヨルダン散歩。http://picturesque-jordan.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.04.08 12:51:08
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