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カテゴリ:ヨルダン生活編
ラマダン真っ最中のヨルダンです。今年のラマダンは過去33年間で最も過酷なラマダン月だそう。なんせ日が長いので、イスラム教徒たちは日の出から日没まで16時間もの間、飲まず食わずで過ごします。この時期、イスラム教徒たちが一日で初めての食事にありつけるのは日没後の午後7時45分くらい。 「冬のラマダンはいい! 断食は8時間だから」とイスラム教徒たちは口をそろえて言います。本当にその通り! この暑い夏の時期に、16時間も水さえ飲まずに過ごすなんて私には信じられません。クリスチャンの友達の中には「断食をしてるって言っても、90%が絶対に隠れて飲んだり食べたりしている」と言い切る子もいます。でも私は、ほとんどのムスリムが本当に断食していると思います。 この時期、午後6時くらいから車の数は減り始め、午後7時半くらいには街は静まり返ります。一日で初めての食事の時間 (これを”イフタール”と言います) が始まるのです。アザーンが鳴り響き、やっと解禁の合図!!!! イフタールが始まると、家々から聞こえてくるのは食器の音と食器に触れ合うフォークとナイフのカチャカチャいう音。やれやれ、本当にお疲れ様! とねぎらいたくなります。 上の2枚の写真は、イフタールの時間に撮ったもの。同じ位置から左と右とを撮りました。この道路はシメサニ地区を貫くメインの道路で、普段は車が数珠つなぎになっている悪名高い渋滞エリア。でもイフタールの時間には…空っぽ!!! 人っ子ひとりいません。私一人が道路にぽつねんと立っていました(笑)。 ラマダンの時期は、お店のほとんどが午後6時には閉店します。午後9時ごろからまた営業を開始するお店がほとんど。アンマン市のモールも、ラマダン中は午後6時にいったん閉店。午後9時から再び開店し、午前1時半ごろまで開いています。 イフタールが終わる午後8時半ごろには、街にぞろぞろとアラブが繰り出し始めます。街は活気を帯び始め、アラブたちは道路でたむろい、ショッピングをし、思い思いに長い夜を過ごします。 そうです、ラマダンの時期は日中と夜間が大逆転。夜になると街は家族連れのアラブで賑わい、16時間の長い断食を乗り切ったムスリムたちが大好きなアフエ(アラビックコーヒー)とタバコを手に延々と語らう様子が見られます。 さてこの時期に観光にいらっしゃる皆さまにとっては、ラマダンって厄介なものですよね~。なんせ観光客でも道路での飲食は控えなければなりません。それに、時間帯によってはかなりの交通渋滞。ラマダンの時期は会社も早めに終わりますので、仕事を終えたアラブで街中が混み合うのが午後4時ごろ。お腹をすかせたイスラム教徒たちは我先にと争い、街はクラクションでビリビリ揺れ動きます。 さらにレストランのほとんどが日中は営業しません。食べれないし、飲めないし、お買い物もできないし…でもせっかくのラマダン!! ぜひ午後9時以降に街歩きをしてみてください。街の活気に驚かれるはず。ヨルダンでは、夜に街を歩かれても全く問題ありません。特にラマダンの時期は、家族連れが大勢街に繰り出しています。ぜひこの独特の雰囲気をお楽しみくださいね。 さて、来年のラマダンは今年よりさらに過酷なのだそう。今年は7月20日に始まったラマダン。来年は7月10日頃から始まる予定。この過酷なラマダンをイスラム教徒たちは「来年はもっと過酷なんだから」と言い聞かせて乗り切っているようです。今日も一日断食お疲れさまでした! ヨルダンツアーのことなら:http://picturesque-jordan.com/ 8月24日放送のNHK BS1 「アジアで花咲け! なでしこたち」に出演の予定です。ぜひご覧ください。
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最終更新日
2012.07.31 05:35:39
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