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月の砂漠-ヨルダンから

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2014.10.12
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カテゴリ:ぶらっとアンマン

今日はヨルダンで見ることのできる死海文書を feature (解説) 致します。「死海文書」といえば、"20世紀の最も重要な考古学上の発見" とも評される重要な文書。死海文書の大半かつ重要な部分は、イスラエルに保存されています。

まず死海文書とは何ぞや? 死海文書は、古代ユダヤ人の手書きの文書や写本で、大半はヘブライ語、幾らかはアラム語で書かれ、ギリシャ語のものも少しあります。それら巻き物や断片の多くは、2000年以上昔のもの、つまりイエスの誕生よりも前のものです。巻き物や断片すべてを整理してみると、それらは約800点の手書き文書でした。

死海博物館

こーーんな玉ネギ状の形をした博物館の写真、見られた方も多いかと思います。これはイスラエルにある死海博物館。ここに収められているのは、完全な形で残った聖書のイザヤ書の写本。西暦前120年ほどに書かれたと言われる文書です。

さて、ヨルダンにあるのはそれほど立派な写本ではありませんが、いくつかの写本の断片と Copper Scroll といわれる意味深な金属の巻物。一挙ご紹介いたしましょう。

Scroll 175 Cave Qumran 4 Testimonia 写本の断片

イザヤ書の注解 イザヤ書の注解

伝道の書 写本の断片 伝道の書 写本の断片

これら3つの断片がヨルダンに保存されています。以前は、アンマン城砦のある考古学博物館に収められていましたが、現在はヨルダン国立博物館に移動しています。

死海文書が発見されたつぼ 

死海文書が発見された壺

この壺に関しては、本物かどうか確かめられませんでした。本物かな? 複製かな? 分かりません。死海文書はこうした壺に保管されて、イスラエルにあるクムランの洞窟にひっそりと置かれていました。この死海文書を発見したのはローカルのベドウィンたち。たまたま投げた石が死海文書の入った壺に当たったのがきっかけで、死海文書が2000年の眠りから醒めることになります。その後、調査が幾年にもわたって続き、死海文書が大量に発見されました。

なぜこの死海文書がそれほど重要な発見かといいますと、まず、現在の聖書が2000年前とほぼ変わらない内容で保存されていることが証明されるから。また、2000年ほど前、つまりイエスの時代のユダヤ人の生活背景について、ある程度知ることができるという点でも意味深いもののようです。さらに、YHWH (ヤーウェまたはエホバ) という神の名前がはっきりと残っているという点も重要なポイントのようです。加えて、古代ヘブライ語の研究にも欠かせない材料だということです。

このように死海文書の持つ意味は、広範囲に及びます。

さて、そんな宗教的な文書が大半を占める死海文書ですが、ヨルダンには Copper Scroll というちょっと一風変わった金属製の死海文書も保管されています。これは宗教的な意味合いは全くなく、宝の隠しどころなどが書かれているのだそうです。金属製なので開くことができなかったため、最終的には縦にカットされました。そんな意味深な Copper Scroll もヨルダン博物館に展示されています。

Copper Scroll

さてさて、このヨルダン博物館、地球の歩き方の改訂版が出版された時には、プレオープン状態でした。が、現在はほぼ毎日開いています。金曜日と火曜日は休館。その他の曜日は、朝10時から午後14時までオープンしております。これで、もっとたくさんの人にヨルダン博物館に足を運んでいただける機会が増えました! 以前は無料だったのですが、現在では入場料がお一人様当たり 5JD となっているようです。

アンマン市内ツアーの際は、是非このヨルダン博物館も入れてくださいね。場所は・・・といいますと、ダウンタウンの近く。地図については、以下のURL をご参照くださいませ。

http://jordanmuseum.jo/en/visitor-information

このブログでも、この新しい博物館からの興味深い情報がありましたら、常時お伝えしてまいります。


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最終更新日  2015.02.15 04:25:46



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