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月の砂漠-ヨルダンから

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2015.10.27
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 ヨルダン北部から中部にかけて雨が降ったようで…あちゃ~。ムジブ保護区でのシークトレイルを控えているお客様がいらっしゃるので…保護区が閉鎖されないことを祈ります…。

さて本日は、難民が増え続けるドイツでのちょっとした混乱? について。ドイツでは、路面電車が走っている都市もたくさんあります。こうした路面電車はドイツ語で「シュトラーセバーン」と呼ばれていまして、国民の大切な足となっています。

ところで皆さまは、中東などで流れるアザーンというものをご存知でしょうか? 私のブログを読んでくださっている方の中には、ヨルダンなど中東近辺に旅行に来られた方も多いかと思いますので、アザーンはなじみ深いものかもしれません。祈りを呼び掛けるもので、教会でいえば鐘のような役割を果たしますが、肉声でろうろうと呼びかけられるのが特徴。

有名なのは最初の「アッラーフ・アクバル」(神は偉大なり)というセリフでしょう。その後、ムハンマドは神の預言者なり…うんぬんと続きます。このアザーンですが、早朝から鳴り響きますので、中東に旅行に来られた方や、中東に住み始めた初期の方は飛び起きることもしばしばかと思います。やがて慣れて生活の一部になりますので、早朝にアザーンがなっても、ぐうぐうと寝続けられるようになります(笑)。

モスク

で、このアザーンって、哀愁をそそるというか…中東の風物詩ですので、これが聞こえいとなんだか不思議な感じがします。日本などに一時帰国するときまって懐かしくなるのがこのアザーンなんです。もちろんドイツでは聞く機会もありませんが。

またこのアザーンはイスラム教徒にとってはとても大切なもの。祈りの時間が来たことを知らせるものですから、このアザーンを携帯などに設定して時間がくれば鳴るようにしているアラブもたくさんいます。中東では全く問題ありません! が、しかし!!! ドイツでこれが公共の場でろうろうと鳴ると…

難民のアラブ数人が路面電車に乗っていた時のこと。一人の携帯からこのアザーンが大音響で響き渡りました。アラブは携帯を公共の場ではマナーモードにするなどという感覚もありませんから、アザーンは大音量で流れ始めたわけです。

すると…路面電車が急にストップ。次々に乗客が降りて行き、電車の中は空っぽに。何が起きたんだろう? と不思議に思ったアラブたちが電車を出ようとすると、警官たちが電車の出口にぬっと立っていて捕まえられてしまった!!! え? なんで? と思った方! そうなんです、この「アッラーフ アクバル」という大音量が鳴り響いた時に、運転手を含め、乗客は全て「テロだ!!!!!」と真っ青になり、飛び降りてしまったのです。笑えるのが運転手…。電車を緊急停車。すたこらさっさと避難した(笑)。

アラブたちの間では笑い話になっています。でも確かに…この「アッラーフ アクバル」というセリフは、イスラム国が虐殺の時に叫んでいるので…残念なことにドイツ人でこのアザーンに郷愁を覚える人などいない。恐怖を呼ぶわけです。それでもアザーンは携帯に入れておきたいというアラブは、外では携帯をマナーモードにね、と言い合わせています。

ま、そんな感じで、ドイツ人にとっては決して笑い話にはならない。私たちにとっては面白い話ですが、中東などには行ったこともない人からすれば単なる恐怖に過ぎません。これを聞いた時は、私も失笑。。。シリア難民が増え続けるドイツならではのお話でした!


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最終更新日  2015.10.28 04:01:13
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