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月の砂漠-ヨルダンから

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2017.08.01
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え~、なんだかやっぱり日本での報道がどうも正しくないっぽいので、現在ヨルダンとイスラエルで起きていることいついてちょっと書きたいと思います。

イスラエルでユダヤ人とパレスチナ人との間で衝突が起きているのは、アル・アクサー・モスクをめぐっての出来事。これについては先回のブログでアップ済み。https://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201707270000/

アル・アクサー・モスクに金属探知機が設置されたのと同時期にヨルダンである事件が。イスラエル大使館内でヨルダン人2人が銃殺される事件。発砲したのはイスラエル大使館のセキュリティガードだったユダヤ人男性。

これに関して、日本の新聞は事実をきちんと伝えていません。ある新聞によると「イスラエル大使館が23日、何者かに襲撃されて銃撃戦となった。AP通信によると、ヨルダン人2人が死亡し、イスラエル人1人が重傷を負った」。はい、間違い~。何者もイスラエル大使館を「襲撃」していませんし、「銃撃戦」も起きていません。ちなみに該当のイスラエル人は「重傷」ではなくほぼ無傷と思われます。

またある新聞は「国内でイスラエルを対象とした攻撃は異例。事件の詳細や犯人像、動機は明らかになっていない」これも間違い~。誰もイスラエルを攻撃していません。発砲したのはイスラエル人ですから、「犯人」も「動機」もありませんがな。

またある新聞は…「ヨルダン人の男がイスラエル人の警備員を工具で襲撃し、警備員が銃を発砲した。容疑者の男はパレスチナ系の17歳のヨルダン人。家具の交換を理由に大使館の居住棟に入った後、ドライバーで警備員を刺した。警備員が銃を発砲し、男は死亡。近くにいた医師のヨルダン人男性も撃たれて死亡した」

うーん。これも正確ではありません。17歳のヨルダン人は「家具の交換を理由に」襲撃の目的で入ったのではなく、家具屋の息子であり彼自身も大工だったのですから、襲撃の意図なくイスラエル大使館に入ったと思われます。「近くにいた医師のヨルダン人」これは、イスラエル大使館の居住区の大家さんだった男性です。医師でもあったようですが、医師とだけ書かれると関連性が全く不明瞭。

もう国内大手のどの新聞もアカン。イスラエル目線の報道ですからね。何でも「襲撃」とかに結び付けたい日本のメディア。話題集め? やめてよ~。

私はイスラエル寄りでもヨルダン(パレスチナ人)寄りでもありませんし、どちらが悪いとか良いとかを論じるつもりは全くありません。ただ、メディアは正確な報道に徹するべきでは❓ 中東と関わり始めて10年…中東に関する不正確な情報には慣れっこになっていますが、日本のメディアはこの10年間進歩なし…という感じがします。

 
↑今回銃によって亡くなった17歳のヨルダン人少年のお葬式の様子。

さて、本当にヨルダンで起きたこと、今起こっていること…。報道規制とかで全ての情報は手に入りませんが、こんな感じです。興味のある方だけお読み下さいね。ちなみに私は現場にいたわけではありませんし、ここに書くすべての情報が正確だと言っているわけではありません。現時点で分かっていることをまとめています。

7月23日に17歳のヨルダン人の大工である Muhammad という少年がイスラエル大使館の居住地区に入りました。家具の交換と設置のためです。この少年の父親はダウンタウンで家具屋を経営しています。さてその場に居合わせたのは、イスラエル大使館関係者の居住地区の大家であるヨルダン人男性。これもよくある話。家具の交換と設置の現場を大家さんが取り仕切る、というのはヨルダンでは珍しいことではありません。

ここで、この Muhammad という少年がイスラエル人であるセキュリティガードをスクリュードライバーで刺そうとしたといわれています。でも目撃証人がほぼいませんので、真実は分かりません。ある新聞によると、実は家具の設置に関する単なる口論が生じたのではないかと。

私もその説が有力だと思います。ヨルダンの17歳の若者…アラブたちはプライドが高いのでもともとからすぐにカッとなりますし、若者であればなおさら。理性より感情が先に立つのはアラブの特徴。ちょっとしたことでムッとし、カッと爆発するのはヨルダンでは日常の事。相手がイスラエル人だったから余計カッとしたというのはあるかもしれませんが、襲撃する意図はなかったと思います。ただしカッとなる相手が悪かった。銃を持っていたからです。

このイスラエル人のセキュリティガードも若造ですし、イスラエル人のプライドの高さも相当なものだと思われます。ですから売り言葉に買い言葉、あるいはお互いのちょっとした態度で口論が発生したというのは十分(というか十分以上に)あり得ること。そして銃を持っていたイスラエル人が発砲します。若者に銃を持たせること自体、怖いことですよね。カッとなったらすぐに発砲しそう。しかもこのイスラエル人はライセンスなしに銃を所持していたということが分かっています。つまり、本当に銃の使い方を知っていたのかどうかも怪しい。

居合わせた大家さんのヨルダン人は二人を止めに入って撃たれたという報道もありますが、いずれにしても全く関係がないのに撃たれて亡くなってしまった。非常に残念です。

さていわゆる目撃証人は、当事者であるイスラエル人のセキュリティガードと、家具をトラックで持ち込んだヨルダン人ドライバー。でもこのドライバー男性の証言は公にされていません。彼は今、世間からも家族からも隔離されているのだとか。

この発砲したイスラエル人は当日のうちにヨルダンを出国してイスラエルに帰ります。本当の名前も明らかにされていません。イスラエル寄りの報道では、彼の発砲は「正当防衛」となっています。真実は神と本人のみぞ知る…。死人に口なしですから。

イスラエル大使館の職員たちもほぼすべてその日のうちにヨルダンを出ます。残っているのは大使と…誰だったけ? いずれにしてもイスラエル大使館はほぼ空っぽの状態。

ヨルダン側はこのイスラエル人のセキュリティガードとイスラエル大使館の職員たちをイスラエルに帰らせることに合意したわけですが、その後すぐにイスラエルのアル・アクサー・モスクの金属探知機が撤去されています。ですから外交によって政治的な力が働いたのでは、と言われています。

この発砲したイスラエル人がイスラエル国内に着いたときに、ネタニヤフ首相が彼をハグして歓迎し、ヒーロー扱いする様子が報道されまして、こうした対応に関してヨルダンのキング・アブドゥッラー国王は「Provoking(挑発的)」でパレスチナ人の感情を逆なですると非難・抗議(あるいは激怒)しています。

もちろん、そもそもこのイスラエル人をヨルダン国外へ脱出させたこと自体、ヨルダンでは不満の嵐。発砲したイスラエル人を裁判にかけるべきだ! 公正を施行せよ! と叫び声が上がっています。ヨルダン側としては、この事件に関する調査がなされるまでは、イスラエル大使のヨルダン出国は許さないとしています。というわけで、イスラエル大使は現在ヨルダンで "籠の中の鳥" になっています。

イスラエル側はこのイスラエル人から事情聴取し、真実を明らかにすると約束したようです。ま、どこまでが「真実」なのか…。現場に居合わせた人物で生きているのは、このイスラエル人とヨルダン人のドライバーだけ。しかもドライバーがどの程度現場を見ていたかは分かりません。

ですからこのイスラエル人が「正当防衛」で乗り切ることも考えられますし、あるいは本当に「正当防衛」だったのかもしれません。もはや真実の追及は不可能です…。いずれにしても、ヨルダン側は「殺人」として法の施行を求めています。銃の不法所持もヨルダン側は指摘しています。

「殺人」と「銃の不法所持」という容疑に関して、イスラエル側はどう対応するのか…今後のイスラエル側の対応に多くがかかっています。このイスラエル人をネタニヤフ首相がヒーロー扱いしてしまったこと、そしてその様子が公に報道されてしまった以上、イスラエル側は今更それを覆すことができるのか…

若者同士の単なる口論…だったと私はにらんでいますが(というのは中東ではよくある光景ですので)、だとすると銃を発砲して2人も殺してしまったというのは、どう考えても銃を発砲したものが罪に問われるはずです。が、こうした至極簡単な常識は中東では通用しないでしょう。

でもイスラエル側の対応によっては、パレスチナ人の怒りをさらに買い、問題がどんどん大きくなることも考えられます。さて、アル・アクサー・モスクに関連した出来事とほぼ同時期に起きてしまった今回のイスラエル人によるヨルダン人殺害事件。これに関しては、イスラエル・ヨルダン両政府とも予想外の出来事だったと思われます。タイミング悪く起きてしまったこの事件。もし時期が違えば、また反応も違ったかもしれません。

ところで政治の世界は全てが虚栄の世界で、裏で何が起きているかは本人たちと神のみぞ知る世界。私たちは舞台で演じる役者たちを見ているようなものです。ですから、あーだこーだというのはあまり意味がない。次のシーンで、イスラエル側がこの「殺人」と「銃の不法所持」という罪に問われるイスラエル人に対して法的措置を取るのか取らないのか、取るとしたらどんなペナルティになるのか、それは怒りに狂っているパレスチナ人をある程度満足させるものとなるのか…もうすぐ明らかになると思います。

ところで政治の世界に関心がないほとんどの人たちにとっては、ヨルダンとイスラエルの治安がご心配なことと思います。ヨルダン側ではデモはこれからも予想されます。なんせ理不尽な理由で尊いヨルダン人2人の命が奪われてしまったのですから、これは当然の動きと言えるでしょう。イスラエルに対する積もり積もった不満が爆発した形です。ただしデモはあくまでイスラエルに対するもので、観光客が巻き込まれたり観光に影響が及んだりするということはあり得ません。デモに関しては他の国と同じで、政府によって統制されたものになります。ただしイスラエルの対応によっては人々の怒りがさらに爆発することもないとは言えません。

イスラエル側でもパレスチナ人の怒りは相当なものですから、ユダヤ人のガイドはパレスチナ自治区に入れないなど、以前と同じような状況が続くと思います。観光には影響はまずないはずですが、イスラエルではパレスチナ人とユダヤ人が目と鼻の先に入り乱れていますから、怒りのスイッチが入るとヨルダンよりは大変な状態になるでしょうね…。デモの現場を見られたら、すぐに離れていただくのが賢明かと思います。まぁいずれにしても好ましくない状況ですね。

このパレスチナ問題、根が深くて…というか、解決されていませんので、事あるごとに爆発します。それが中東の姿なんですが。神様がパンパンと手をたたいて、「はい、これは私の土地。誰のものでもありません。ユダヤ人も立ち退き、パレスチナ人も立ち退きしてください。人種に関係なく平和を愛する人たちだけが住むことができます」と宣言されたら…、問題は解決しますよね。


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最終更新日  2017.08.01 00:21:42



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