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月の砂漠-ヨルダンから

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2020.07.03
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ふと気づけばブログのアクセス数が200万を超えておりました。皆様いつもご愛読いただきまして、ありがとうございます。ここ最近、1日当たりのアクセス数が連日1000件を超えているのですが…なぜでしょう? 以前にも書いたように違法操業者が嫌がらせをする前にアクセス数が増えることがあったので、今回もそうなのか~? と心の準備は一応しております。とはいえ、純粋に読者さんが増えているのなら嬉しい限り。このブログを書き始めて12年が経ちます。時が経つのは早いですね~。

さて今回はレバノンのお話。私がレバノンに住んでいたのは 8-9 年ほど前になります。レバノン人といえば…、アラブの間ではそのプライドの高さでよく知られています。見栄っ張り文化のアラブの中でもトップクラスの見栄っ張り。なんでも自慢したがります。一般的には、ですよ。もちろんレバノン人と一括りにしても、色々な人がいます。でもザックリまとめて言ってしまえば、見栄っ張りでプライドが高いのがレバノン人。

レバノン人は自分たちのことをアラブだと思っていません。自分たちは「フェニキア人の子孫だ」と言い張ります。フェニキア人とは何ぞや? 聖書にはフェニキア人のことがたくさん出てきます。今のレバノンにあたる部分に住んでいた国民で、カナン人とも呼ばれています。でも、カナン人ははるか昔に国民としては消滅しているので、レバノン人がフェニキア人の子孫という根拠が何なのかよく分かりません。ま、それを非常に誇りとしているのがレバノン人です。

レバノン人ときたらお国自慢もかなりすごいです。レバノンほど美しい国はない。四季がある! と胸を張るのがレバノン人。それから「レバノンではスキーをした後に海に行って泳げるんだ!」というこのセリフもレバノン人からよく聞きます。つまり雪もあり海もあり、なんて多様な自然に囲まれているんだ! という自画自賛です。いや、それって単に国が小さいってことやん…と心の中で突っ込む私。スキーをした後に泳ぎに行きたい人なんているんか? しかも四季がある国なんて別に珍しくもないわ。もうね、レバノン人と話していると突っ込みどころ満載です。

そう、彼らは裸の王様…。でもそのレバノン人の誇りは一体どこへやら? 現在のレバノンは経済危機の悪化で暴動化したデモがあちこちで行われています。国民の35%がすでに貧困レベルで、その数は間もなく70%になるともいわれています。物価の高騰に歯止めが利かず、食べ物を買うことすらできない人が増えています。

私の友達もかつてのお給料は 1500 ドルだったのに、ほんの数か月でその額が 200 ドルになってしまったそうです。レバノン通貨の価値が暴落しているので、同じ仕事なのにお給料が 7分の1 になってしまいました。ちなみに家の家賃は 550 ドル。200 ドルのお給料では払えません。幸いなことに彼女のお兄さんがドイツにいるので、家賃代を送ってもらっています。そうでなければ生活できない。200 ドルのお給料は食料品に消えていきます。

そんなレバノンから届いた辛口のジョークがこちら↓



これ…笑えるけど哀しくなるジョーク。アラビア語で「ドルの価値が下がったら水槽に入れる魚を買おう」と書かれています。つまり水槽に入っていた熱帯魚を調理して食べている。そこまでしないと食糧がないということ。家にある水槽は空っぽになってしまったけど、ドルの価値が下がったらまた魚を買って入れよう…という、笑っていいのか悩んでしまう辛口ジョークです。絶体絶命のようなこの状況をジョークで笑い飛ばす精神はよろしいですな。

というわけで…先が見えないレバノンの経済危機。ゴーンさんもそんなレバノンに逃避行したけれど…悠々自適な生活を送っているはずがありません。むしろ狂暴化したデモ隊が自分の家に押し寄せないか不安に思っているはずです。日本政府もこういう経済危機を盾に、ゴーンさんの引き渡しを強く求めてもいいんじゃないかなと思いますけど…。レバノンの政治家も保身のためならゴーンさんを引き渡すことに同意すると思いますよ。ま、政治がもともと機能していないので、交渉役がそもそもいるのかが疑問ですがね。

いやぁ…いつかは国として崩壊すると思っていたけど、こんな形で来るなんて。レバノン人の誇りは何処へ? レバノンという国は好きではありませんでしたが、大切な友達がたくさんいます。みんなこの危機を頑張って乗り越えてほしいと思います。

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最終更新日  2020.07.03 06:16:52
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