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月の砂漠-ヨルダンから

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2020.11.17
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気持ちが良い秋の天気が続いているガジアンテプです。夜間から明け方にかけては3-4度ほどになりますが、日中は16度くらい。そして私のアパートは結構暖かいということに気づきました! 夏は死ぬほど暑かったのですが、冬はあったかいようです。ウキウキ。

これは多分、下の階の人が暖房をつけているので温かい空気が私の部屋を暖めているようです。なので、夜間に気温が下がっていても私の部屋は暖房をつけなくても良いほど。ほほほ…。冬が暖かい家って住み甲斐がある~手書きハート手書きハート手書きハート

さて、少し前に「アブラハムが巡ったハランの地を踏みしめる」(​https://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/202010270000/​)という記事をアップいたしました。このハランはアラブラムが踏みしめただけではありません。アブラハムの孫にあたるヤコブがナホルのひ孫娘と結婚して14年以上住んだ都市でもあります。旧約聖書に通じておられる方なら、アブラハムとかヤコブとかいう名前にも馴染みがおありかと思います。

ハランにある三角屋根の歴史的建造物エリアから車で7分ほど走りますと、「ヤコブの井戸」があります。



↑これがヤコブの井戸。井戸の入り口には鉄格子の扉がつけてありますので、中に入ることはできません。

鉄格子から井戸の中をのぞいたところ。ごみが捨ててあってきれいではありません。でも今でも水をたたえています。

聖書の創世記を読むと、ヤコブの物語が生き生きと描かれています。聖書の創世記は歴史の本としてもとても興味深いので、クリスチャンではないとしても読まれると良いと思います。この記事ではヤコブにまつわる話をザックリと書きたいと思います。

ヤコブは父親のイサクたちと共にカナンの地(今のパレスチナ)に住んでいたのですが、双子の兄エサウの怒りを買って命の危険もありましたし、結婚相手を探す必要もあったので、親族が住んでいたハランに旅をします。

ヤコブが長旅の後にこの井戸にたどり着いたとき、ヤコブの従姉妹にあたるラケルが羊の群れに水を飲ませるためにちょうどこの井戸にやってきます。それがヤコブとラケルとの出会いです。のちにこの2人は結婚します。当時はいとこ同士の結婚が普通に行われていたようです。実はこれ、今でもアラブたちは普通にしています。

さて、ヤコブはラケルの父親ラバン(ヤコブの母方のおじにあたる)に紹介され、ラバンのところでしばらく過ごすことになります。ヤコブはラケルのことがとても好きになったので、結婚を申し出ます。ラバンは、ヤコブが自分のところで7年間働いたあとにラケルをお嫁さんとして与えようと約束します。

ヤコブはラケルをとても愛していたので、7年間はあっという間に過ぎました。そしてついに結婚の日が来た時に…ラバンはヤコブを出し抜きます。ラケルには姉のレアがいたのですが、なんとラバンはこのレアをヤコブに与えます。当時は電気もなかったので、真っ暗な闇夜では何も見えなかったんですね…ヤコブは翌朝にレアが自分と一緒にテント内にいることに気づいてショックを受けます。

ラバンに大抗議をしたのですが、ラバンはしれっと「年下の娘を年上の娘より先に結婚させるなんて、私たちの習慣じゃないんでね」と説明。そして1週間後にラケルも与えてあげるけど、それと引き換えにもう7年ここで働きなさいと言います。

そんなわけでヤコブは合計14年間、ラバンのところで働きます。ラケルとレアは姉妹でしたが、父親がこうしてヤコブを出し抜いたために、結婚後もヤコブの愛情を巡って絶えず競い合い、火花を散らす結果にになりました。ヤコブは自分の選択ではありませんでしたが、一夫多妻の結婚生活を送ることになり、大家族はその影響をいつまでも受けることになります。

ヤコブにまつわる話はもっともっとありますが、この記事ではこれくらいにしておきたいと思います。続きを読みたい方は、聖書の創世記29章から読んでみてくださいね~。

そんなヤコブの井戸、今ではこの周りにはシリア難民がたくさん住んでいます。私たちがヤコブの井戸を観光しているときに、シリア難民の子達がうじゃうじゃと集まってきました!



コロナで学校もないし、この辺りは貧しいエリアでシリア人しかいません。なので子供たちはトルコ語も話せません。この、とても人懐っこいシリア難民の子達の将来を考えるととても心が痛みました。教育も受けられず、この子たちの将来は一体どうなるんだろうと。とってもかわいい子たちばかりだったので、コロナじゃなかったら彼らの家を訪ねてお茶でも一緒にしたかったけど…コロナなのでハグをしてあげることもできませんでした。

さ、そんな聖書の土地を行き巡ることができるトルコ南部。「ヤコブの井戸」もパッと見は何の変哲もないさびれた観光地ですが、聖書の物語に思いをはせるととても楽しいのです。

私たちの旅の様子、また次回からのブログでもご紹介していきますね~。

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最終更新日  2020.11.19 05:06:59
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