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月の砂漠-ヨルダンから

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2020.12.15
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カテゴリ:ヨルダン生活編
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お待たせしました! 今日はヨルダンでセクハラに遭った話の「決戦の日」編です。16歳の少年によるセクハラに唖然とし(​https://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/202011230000/​)、反撃を開始(​https://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/202012040000/​) しました!

さて、この少年が通う男子校に乗り込むことにした私。でも女性一人で乗り込むことが賢明なのかどうか…というのも、アラブ世界では女性のいうことに真剣に取り合わないアラブ男性も多いわけで…。しかも私は外国人女性。こういう時はアラブの友達(男性)を伴った方が話が早い。一人で乗り込むこともできますが、嫌な思いをする確率が高い。セクハラでダメージを受けていた私はアラブの友達を最初から巻き込んだ方がいいと結論しました。

で、友達のお父さんに電話をして一緒に来てもらうことに。でも面倒くさいことが嫌いなアラブ…このお父さんは全然乗り気ではなかった。「やめとけ、やめとけ」って感じで説得させられそうになったのですが、これは多分私の頼んだ相手が悪かった。後から思うともっと適任に頼むこともできたと思うのですが、その当時はセクハラで受けたダメージが強く、誰にでも言える状況ではありませんでした。何ならすべて一人で処理したいと思っていましたから。

あと、在ヨルダン日本大使館にも連絡を入れました。これはセクハラなどの被害に遭ったときは大使館に必ず報告するように言われていたから。スリや窃盗やセクハラなど、大使館のほうでは邦人が遭った被害を把握して、メールなどでヨルダン在住の邦人に注意を喚起していました。

それで明日このセクハラ少年の学校に乗り込むことを大使館の担当者に伝えましたら、なんとその時の担当者の方が「一緒に行きます!」とびっくり。私のほうは「えーーーと、別にそれはしていただかなくても…」。心では「え…?ほえー でもアナタ…アラビア語も話せないし、何のために一緒に来るんすか? かえって足手まといになるのでは???」と叫んでいたのですが、この担当者はどうしても一緒に行くといいます。

その時は「なんで? 別にいいのに」という気持ちだったのですが、後から思うとこの担当者の方、本当に親切でした。というのは、その後私はヨルダンでセクハラ以上にひどい嫌がらせをとあるヨルダン人から受けることになるのですが、その時の大使館関係者はそれを見ながら全く関わろうとせず、私が外務省に直接直訴したという経緯があります。そんな無関心で無能な大使館関係者と比べて、この方はなんと親身になってくれたのだろうと思います。確かシンジョウさんという方でした。今更ながら、シンジョウさんには感謝しております。

さて、というわけで翌日に大使館でシンジョウさんとお会いしました。白くて背が低くてぽっちゃり系だったかと記憶しています。男子校に乗り込む戦闘態勢を整えていた私からすると、「こ、こんな男性で大丈夫か?」と一抹の不安がよぎったのは確かですが…(ごめんなさい!)、私の友達のお父さんも学校まで来てくれて、乗り込み決行!!

乗り込んだ時はちょうどお昼休みか何かで、校庭には男子生徒だらけ。普段は女性が入ることなどない学校に、アジア人女性と男性が入ってきたので、校庭はざわめきます。私はあえて頭をしっかり上げて校庭を突っ切って、校長室に。

しかし、この校長がやっぱり曲者だった! セクハラなんて彼にとっては全く重要な問題ではない。「いや、しかしね、まだ子供ですから」などと抜かしよった。これアラブの常とう句。「子供だから何をしてるか分からないんですよ」ってセリフよく聞きます。16歳でセクハラしておいて子供だから何をしているか分からない? いいえ、十分分かっていますよね? 16歳で結婚する子もいるんですから!

こうしてアラブでは「子供だから」「分からなかったから」などと大人にかばわれて、自分のしたことに向き合えない子供がたくさんいます。そうやって大人になるので、大人になってももちろん責任感なんて育ちません。こういう "ひ弱っこ" が多すぎるのがアラブ世界。

この校長のようなアラブは権威にだけは弱いので、大使館関係者がいてくださって結果的には本当に良かったです。私は生徒の名前を伝え、会わせろと迫ります。校長がしぶしぶ「この名前の生徒がいるんか?」と先生たちに確認すると、「確かにいる」と。やった! 

そしてその生徒が連れてこられました。校長室に入ってきたこの生徒、私の顔を見てギョッとたじろぎます。コイツや! 捕まえたで! 私は「はい! 確かにこの少年です!」あの時の少年、世界の終りのような顔をしていました大笑い。この少年の前で彼が私にしたことを先生たちにもう一度説明し、警察を呼ぶつもりなんですけど、と伝えます。学校側としては穏便に済ませたい。私は引かない。

そこでこの少年の父親が学校に呼ばれることになりました。よしよし、これでいいのだ。この少年がしたことを白日の下にさらさないと、いい気になって今後もセクハラを続けるでしょう。そしてあの人を馬鹿にした態度…セクハラしといてタダでは済ませませんよ。

というわけで、次回は「父親登場」の巻きです!

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最終更新日  2020.12.15 04:52:55



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