その日母は
僕に幼い妹の面倒を見るように言いつけた。
「しっかり手をつないでいるのよ。
ちょっとでも目をはなしちやダメよ。
楽しいことが目の前にあっても夢中になってはダメよ。
一秒でも気を抜いていると、その間にとんでもないことが起きるのだからね!
何か起きたら一生後悔することになるんだからね。
知らない人が話しかけてきたら人さらいかも知れないから用心するのよ。
いい?あなたには責任があるのよ」
そう言って母は買い物に出かけ、
二度と帰らなかった。
なるほどな、と僕は思った。
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