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長くて、ハードだった試験期間も終わり、来週からいよいよ実習です。
最初は、ここから通える病院で二週間。 そのあとは、レオパレスに入ってさらに二週間。 二年あまりの机上の勉強も、もうほぼ終わってしまったのだなーと、やっと今少し実感し始めました。 この一年は、いわゆる大殺界に入っているらしい私ですが、流れるままに進んでいきたいと思っています。 ところで、私の住んでいる呉には、映画館が二つあります。 今日はその話を。 『呉シネマ』と『ポポロ』というふたつの映画館があるのですが、その昔、海軍さんでにぎわっていた呉の街には、これ以外にも何件もの映画館があったそうです。 今では、その残ったふたつの映画館が、ほそぼそとアニメやハリウッドの大型映画を広島市内よりも少しずれたタイミングで上映している状態。 それでも、私が初めてこの街にやってきた時、映画館がふたつもあることに喜びました。 中でも、『呉シネマ』は、大きなスクリーンと二階建ての席が、ふたつも備えてある大型映画館。 初めて観にいったのはなんだったか忘れましたが、確か一人でした。 高い天井に、洋風な黒く塗った階段の手すり。 広々とした階段にぼんやり灯るランプのひかり。 白かったであろう、壁もくすんでます。 そのレトロさに、私は感激しました。 関東地方に住んで、シネコンや個性派のミニシアターの新しい建物の映画館に慣れ親しんでいた私にとって、時が止まったままのようなその様子にすっかり魅了されてしまったのです。 その昔、毎日毎日、大勢のお客さんを招いていた頃の『呉シネマ』は、今では一日の動員数は恐ろしく減っているのでしょうが、その建物の魅力は今も決して衰えてないと思います。 そんな風に思っていたら、このところ立て続けに『呉シネマ』からみのうわさが耳に飛び込んできました。 ひとつは、風呂場。 最近できたリゾートスパを気取っているお風呂屋さんに、ちゃかしにいって、塩サウナに入っていた時でした。 お隣に座っていた女性が塩すりすり、こう話すのが聞こえてきたのです。 「呉のシネマは、怖くてとても一人じゃいけない」 『えぇえ!?』 同じく塩すりすりしていた私の手が止まりました。 映画館が怖い。 これは全く新しい観点でした。 私は、この映画館にお客さんがこないのは、そもそも上映作品に魅力がないのではないかと思っていました。もしくは、音響が古く、その物足りなさで、新しい映画館に行ってしまうのではと。 しかし、“映画館が怖いから”という観点もあったのです。 私にとってはとっても魅力のあるあのレトロさも、一歩間違えれば『怖い』となってしまうのだな、と目から鱗が落ちる思いでした。 この話を、パートナーに話すと彼も苦笑いで、 「確かにあそこのトイレは怖い」 と言っていました。 そう、そうか。やっぱり怖いんだ。 こうして、ようやく私も納得しました。 そして、今日も呉の情報誌の中で読者からの意見の中に、「呉の映画館はさびしい」とかかれており、いよいよ私の考えも固まってまいりました。 これは問題なのは上映作品の内容でも、音響でもなく、その雰囲気なのでは! もちろん、魅力ある上映作品も、素晴らしい音響も大切です。 しかし、“映画館にお出かけ”という非日常の空間つくりとして、『怖い』のは最もまずいですよね。 映画館に怖くて一人でこれないなんて。 私の考えはどんどん発展してます。 私が感激したあのレトロさを、ただ『怖い』で終わらせてしまうのがとても悔しいからです。 時間が作り上げたレトロさは、貴重です。 買おうと思っても、買えるものではありません。 このまま言ったら、『怖い』まま、呉の映画館は消えていってしまいそうです。 安芸灘地震にも耐えたのに勿体なさすぎる。 歯がゆい気持ちを抱えつつ、どうにもしようがないのが残念。 残念なままとりあえず、勝手な独り言は終わりにします。 画像は、我が友人で、みんながかしずくサクラです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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