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大福の日日是好日

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大福16

大福16

2005年12月07日
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カテゴリ:楽しい生活
一皮剥けた。


事の次第はこうだ。
先月末に風邪を引いた。といっても、鼻風邪だ。
鼻風邪というネーミングに相応しく、常時洟が垂れるので、常時洟をかんでいた。


ところがである。鼻をかみ過ぎたのか、鼻に何か異変を感じた。
今日はお出かけをする日である。
よもやと思い、鏡を覘けば、果たせるかな鼻の皮が剥けていた。


患部は鼻の下である。鼻の下の皮が剥けていた。


これは事情を解さない善意の第三者ならば、乾いた「鼻糞」と間違うこと請け合いだ。
李下に冠を正さず、瓜田に履を納れず、鼻の下に睫毛を置かず、鼻の下の皮を放置せず、なのである。

文字通り「出鼻を挫かれた」。


ところで、全然関係ないが、この「鼻糞」、就中、「糞」という漢字は凄い。
「米」が「異なる」と書いて、「糞」。
さすがは漢字の国。中国人の光るセンスが伺える。
ちなみに、「屎」でも「クソ」だ。「尸」は棒状に堅く伸びたもののこと。
「屎」は食べた米の滓なので米印をつけたというのが由来だそうだ。
とすれば、西洋人の場合は「尸」の中に「肉」でも入るのだろうか。


話がズレた。
もたもたしている時間はなく、鼻の皮をどう成敗してくれようか、懊悩した。

対処法は3つ考えられた。
1.指の爪で抓みポイする。

2.刃物を使ってポイする。

3.切り取らず、貼り付けて誤魔化す。


高速でそれぞれのメリット・デメリットを比較衡量する。


1.指の爪の使用。

これはイージーかつプリミティブな方法である。
だが・・・あいにく詰んだばかりだった。これでは牛乳瓶の蓋すら開けられまい。
よって却下。


2.やはり文明の利器、刃物か。

だが、薄皮である鼻の皮を図工用の鋏で切るとは、まさに“鶏を割くにいずくんぞ牛刀を用いん”であろう。
まことに使いにくいし、鼻そのものを切り落としてしまうおそれがある。
また、以前私は髭を生やしてしたのだが、ある日チョキチョキ鋏で手入れしていた。
その時、あまりにリズミカルだったので調子に乗って切っていると、「ポト」と何か落ちた。
下唇の皮膚だった。ギャーーー!
それ以来、鋏は怖い。それに今から出血していたのでは外出できないではないか。
カミソリはそれ以上に危険極まりないので論外である。
よって、刃物案も却下。


3.とすれば、抜本的な解決方法ではないが、やはり元の鞘に収める手法がベターだろうか。

これが一番リスクが少ない。
軽く水分をつけて、ピタリと貼り付けたが、思いの外上手く誤魔化せた。
これなら誰も鼻糞とは思うまい。
しかし、水分は蒸発する。冬場の乾いた空気ならば、その蒸発も早かろう。
したがって、現場に到着次第、患部に水をつけることにした。


 そして、現場に到着し、早速トイレの鏡でチェックした。
 オオ!メクレテナーイ!
 まずは安心であった。


ところで、この現場とは学校である。
私は非常勤講師だ。したがって、これから数十人の受講生の前で授業をしなければならない。
その時「鼻糞」らしきものが付いていたら、いくら大層なことを言っていても、全く説得力に欠けるではないか。
第一、オッサンの鼻糞は目の毒、いわば公害だ。
ここで気を付けなければならないのは、問題が、私の主観による認識(鼻の皮)にあるのではなく、受講生の客観的な認識(鼻糞)にあるということだ。
したがって環境に優しい私は極めて慎重に対処した次第だ。


そして難なく1コマ目をこなし、2コマ目もこなした。
案ずる事はなかった。


そして、次の3コマ目の時間になり、授業に臨んだ。

ところがである。授業中、黒板を消している時、急いで消したため、大量の粉が舞い散り、急性鼻炎になった。

時を経ずして洟がつまり、洟が垂れてきた。
今日街頭で貰ったばかりのティッシュで対処するも、稼働率が最大になった鼻水生産工場は衰えを知らない。
「ちょっと失礼。」とか何とか言って、黒板の方を向き、とりあえず鼻をかんだ。チーン! 


健闘空しく、かかる応急処置も焼け石に水だった。
うっかりすれば、最大瞬間計測15cmほどの透明な洟が垂れた。
完全に私の視界に入っていた。
もはや、鼻の皮どころの騒ぎではない。


夜は3時間の授業だったが、いつもより早く休憩に入った。
それは、決して受講生のためではない。そう、私が鼻をかむためだ。


這々の体で控え室に戻り、己の鼻を恨んだ。
しかし、その原因は明らかで、私の鼻が悪いわけではない。
原因はチョークの粉だ。

万物の霊長として、また、食物連鎖の頂点に立つものとして、日頃矜持を抱いていたつもりであったが、あんなちっぽけな粉に私は粉々にされた。

花粉症の時期でも、授業中はくしゃみ・洟水の類が出ない私だが、今回のチョークにはやられた。
直接に大量に吸い込んだようだ。


思う様洟をかみ、スッキリして教室へ戻った。
そして、何事もなかったように授業を再開した。
黒板消しもソロリソロリと使ったお陰で、粉塵から我が身を守ることができた。
何とか無事、授業を終えた。
しかし、黒板の文字は消せても受講生の記憶は消せない。


もっとも、私はカリスマ講師でもないし、イケメン講師でもない。
洟を垂らしたところで失うものは何一つない。
だが・・・ハナタレ講師という渾名は・・・嫌だ・・・。




ガーディマスクFA1(防災用品/緊急用防煙マスク)←これを付けた講師がいたら、それは私です





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最終更新日  2005年12月08日 02時01分41秒



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