コート・ド・ローヌ 初ワインの晩餐会
ゆうべは Ste. Cecile セント・セシルという村で行われた初ワインのお祝い晩餐会(ばんさんかい)に行って来た。(ここは”Cristaline”「クリスタリン」という名のミネラルウォーターでも名が知られている。アメリカのスーパーでこのクリスタリンを見かけた時はびっくりした。うれいしくもあったが)初ワインと書いたが、Le primeur ル・プリミエ というのだ。今年収穫して醸造したワインのお披露目。ボージョレヌーボーのコートドゥローヌ版。Le primeur 2004 des célèbres Côtes du Rhône コートドゥローヌ2004年初ワインの祝いセント・セシルの3つのカーブの共同主催で行われた。カーブというのはワイン醸造所のこと。ひとり20ユーロ(2000円くらい)でフルコースの晩餐会。ワイン飲み放題。もちろんダンスタイムもある。200人の出席者。そのうち子供が15人くらいいたかな。子供たち専用テーブルが用意してあった。場所は村の公民館。ヴィリッジホール。体育館のような建物にバー、調理場をつけて、床を石や大理石のタイル張りにしたもの。天井も高い。体育館よりはずっとおしゃれにできている。結婚式の披露宴会場によく使われる。8時から始まって家路に着いたのは午前零時半。会はまだ続いていた。ディスコダンスで盛り上がりかけた時、帰ったのだ。あの調子ではお開きは1時過ぎかな・・・(苦笑)食事が始まったのは9時半。それまでは館内のバーで各カーブのLe primeur 初ワインを飲みながらおつまみなど食べておしゃべり。最後のデザートが出たのが午前零時。わたしは11時頃には眠くなってあくび連発。普段は10時半から11時の間には寝てしまう。朝は5時には目が覚める。(なので今朝は9時過ぎにやっと目が覚めた)メインとチーズの合間にはダンスの時間があってタンゴなんか かかっちゃって・・・パパとママンは早速連れ立って踊っていた。Mと私はそれをまぶしそうに見るだけ。社交ダンスなんて踊れないんだもの。パパとママンは若い頃は週末はダンスホールに通って踊りまくっていたよう。だから ふたりのダンス、引き立っていた。食事はちゃんとテーブルについて座って取る。イスはプラスチックのものだったが、ちゃんと白いテーブルクロスもかけられてワイングラスやお皿、フォーク、ナイフも紙やプラスチックではなくてちゃんとしたもの。前菜はフォアグラとテリーヌだった。メインはDaubeドーブ。牛肉の赤ワイン煮込み。これはブーギニォンのプロヴァンス版。違いは使う香辛料。Clou de girofles クローヴ、丁子(チョウジ)が入っている。ワインはブルゴーニュの赤ではなくてコートドゥローヌの赤。このドーブはこの村の肉屋Gが作ったという。Gは我が家 御用達(ごようたし)肉屋でここのジャンボン・ブランはかなりいける。ジャンボン・ブランとは塩茹でのロースハムなんだけど骨付きで作っているから、骨なしのよりずっとおいしい。骨から美味しいエキスが出るのだろう。このドーブ、牛肉がよく煮込まれていておいしかったけどママンのドーブの方がもっとおいしいなぁと思った。ママンは本当に料理が上手。その名声はこの村ならず隣村まで知れ渡っている。このドーブの後は、さっき書いたけど、ダンスタイム。社交ダンスのオンパレードでMと私の出る番なし。うらやましげにながめるだけであった。こんなことなら、学生の時、社交ダンスクラブに入って少し踊れるようになっていればよかったな・・・などと、今さら考えても仕方のないことを思ってしまった私。フランス生活に社交ダンスは欠かせません。ダンスが終わるとフロマージュ、チーズの時間。4種類のチーズが載った大きなお皿が置かれた。シェ-ブル、ブルー、ブリ、エマンテール。エマンテール以外食べてみた。ブルー以外はホッペタが落ちそうなくらいおいしかった。シェ-ブルはふつうちょっとパサパサしているけど、ゆうべのは適度にねっとりしていて塩気もちょうどよくておいしかった。シェ-ブルは山羊から作ったチーズ。きのうのシェ-ブルはSoignon ソワイニョンというのだそう。で、今日は早速ゆうべ食べたシェ-ブル、ブリを買って来たという次第(笑)。カーブにチーズ屋が出店していたので、そこでBeaufortボフォーとTome トム、どちらもSavoieサボアのチーズを買った。もちろん味見をして買った。Beaufortは、アルプスの山の上の方にいる牛の乳で作ったチーズ。アルプスの山の上の方は草が上質なので、それを食べている牛の乳で作ったチーズは格段においしいということだ。だからお値段も他のサボアのチーズに比べて高い。そんなにたくさん切り分けてもらったわけじゃないのに30ユーロ(3000円くらい)近くしたのでびっくり。帰ってパパに話したら、あそこは観光客値段だから買っちゃダメだと言われた。そうなのかぁ・・と納得。いくらユーロに切り替わって物価が上がったからってちょっと高すぎ!と思ったからだ。話は晩餐会に戻って、デザートは、フランボアーズのタルトだった。フランボワーズ、英語ではラズベリー。私の大好きなフルーツである。このフランボワーズ、大粒のがいっぱいタルトの上にびっしりとのっていて、タルトもやわらかく、カスタードクリームが甘くすべるようで、おしかった。Mはフランボワーズが嫌いで、タルト部分だけを残していたので、フランボワーズもらって食べました。嫌いな食べ物がほとんどない私は、フランボワーズのどこがダメなのか理解不能。色といい、形といい、もちろん味といい、こんなにおいしくてステキな果物はないのになぁ。。今日は日曜日なのでお昼はごちそうだった。豚のモモ肉をにんにく、タマネギ、セップと呼ばれるキノコといっしょにオーブンで焼いたものがメイン。前菜にはミモザ。ゆで卵の黄みを砕いて白身に戻してマヨネーズを加えたもの。サイコロのように小さく切って茹でたニンジン、インゲンなどの野菜をマヨネーズであえてローストハムに包んだもの。アボガドをタテ2つに切って種を取り、中にツナのマヨネーズあえをつめたもの。マヨネーズはもちろん自家製。ママンが必要な分だけを作る。ヒマワリ油に少しオリーブ油を足して、卵の黄みを落として混ぜ、ディジョンマスタードを加え、油を少しずつ足しながら、スプーンで混ぜ続ける。最後に少し、レモンを垂らしてよく混ぜ、出来上り。メインの後はチーズ。コンテ、エマンテール、シェ-ブル、ブリなど色々。デザートは軽く、マンダリンのフルーツ。ワインは飲まなかった。ゆうべ、飲んだから。アルコールにめっぽう弱くなったわたし。調子に乗って飲んでいると身体がだるくなってやたら眠くなってしまうのだ。快復に2,3日かかるから注意して飲まなければいけない。代わりにValsヴァルスと呼ばれる発砲水。ガズースと言われるミネラルウォーターだ。これがなかなかいける。前菜でけっこうお腹がいっぱいになってしまったので、豚肉はふた切れしか食べなかった。セップはシイタケの味とは違うが、味が濃くておいしかった。肉はやわらかくてジューシー。隣村の例のGで買ったもの。Gの肉は質がよいので、ママンは少しくらい高くてもここで買う。さっきも書いたけど、ここの骨付きロースハムは絶品。1切れ、2切れと枚数を言って店主にその場で切ってもらい、量りにかけて重さで料金を払う。ここのロースハムが大好物のわたし。防腐剤や保存料などいっさい入っていない。夜は昼間の残り。同じものを昼も夜も食べるというのはちょっとね・・・でも今日は日曜日だから、ママンは夜は料理をしないのだそう。そうよね、昼食に時間がかかったぶん、夜は楽をしなきゃあ。1週間、毎日はりきってお昼を作っているママン。日曜の夜くらいは休まなくちゃね。ということで本日の日記はおしまい。初日記なのにこんなにも長くなってしまった。食べ物のことになると色々書けるのよね。というか、フランスは食べ物が豊かなので、書く材料がいっぱいあるのだ(笑)。お読みくださった方、ありがとう。Merci beaucoup. ではまたあした。おやすみなさい。