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2006.11.08
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カテゴリ:演劇
クセになったか、またチケットの衝動買いをして、市民ホールで歌舞伎を観てきた。

『錦秋特別公演・中村勘太郎 中村七之助』

この中村兄弟のお父さんの中村勘三郎さんは、中村勘九郎時代からテレビで馴染み深い。
最近、勘三郎を襲名されてご活躍だ。
野田秀樹・作演出の、シネマ歌舞伎『野田版 鼠小僧』が非常に面白かったので、一度は生で中村座の歌舞伎というものをみてみたかった。


1.江島生島 
 勘太郎の生島新五郎、七之助の江島。
舞踊が中心で、二人のなよなよとした舞いにみとれ、旅商人と島の娘たちの対照的な身振りが笑いを誘う。

2.芸談
 中村勘太郎・七之助さんがスーツ姿で舞台に登場。
司会の女性とのトーク。
初心者向けに、演目についての説明などもあってわかりやすい。
会場からの質問も受けて、ホール内は一気になごやかになった。

3.多摩川
 これは、布ざらしを手にした舞がみどころ。
今なら新体操のリボン演技に似た舞、というところだ。

子供の頃、村に一つあった劇場で、旅芝居の一座の興行を見たときのことを思い出した。
あの劇場は今でも不思議な空間として、記憶に残っている。
そんな遠い昔が蘇ってきて、芝居の世界の普遍性なども考えさせられた。

4.棒しばり
 狂言をもとにした、歌舞伎狂言といわれるものらしい。
自分が留守の間、召使が酒を盗み呑むのを苦々しく思っていた主が、一計を案じて、
次郎冠者(勘太郎)を棒しばりに、太郎冠者(七之助)を後ろ手に縛って外出するのだが、
この二人が思案してお酒を飲むところが、見せ場なのである。

これはもうこのようなお芝居を観る事ができて幸せ!という見事さだった。
主を演じた方は、少しまどろっこしく感じられたが、中村兄弟は息の合った絶妙のコンビネーションで見せた。
勘太郎さんは膝の手術後、復帰最初の舞台なのに、観客が心配になるほど激しくも自在な演じぶりで、それにあわせて時にはかばうような七之助さんの動きもなめらかで上手い。
衣装も映えて、手足の美しさが際立っていた。

幕が下りてもひとしきり拍手が鳴り止まなかったが、カーテンコールがなかったのは、残念だった。

File0001.jpg



ヒトの血筋について、考える。
「血は争えない」とよく言われる。
歌舞伎や能・舞踊・茶道・華道・政治家・文学者・芸術家・医者…皇室もだ…
家系とか血統とか否定して生きてきたつもりだが、伝統や文化、家風というものは確かに存在することを目の当たりにした思いだった。


この日は娘と二人出かけたので、観劇後久しぶりに二人で外食。
もう別の家の人になっているわけなのだが、まだお互いにその距離に戸惑いがあるようだ。








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Last updated  2006.11.11 16:31:17
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