中国、名門女子大生の卵子ビジネスのエグい実態
中国では、卵子の売買は禁止されている。
ところが今、女子大生をターゲットにした“卵子ビジネス”がひっそりと流行しているという。
しかも、出身大学が名門であればある程人気が高く報酬も多いといい、流行するのも無理はないか。
■有名女子大は卵子ビジネスではブランド 有名大学でない場合は5000元(約6万円)、それなりの知名度がある北京師範大学で2万元(約24万円)、中国屈指の名門校・北京大学や清華大学に至っては、3万元(約36万円)と高額な値段で取引されている。
学生が閲覧するサイトや大学構内には、卵子提供者を求める広告があちこちに張られているという。
“陽光代孕公司”はこうしたビジネスを行っている仲介業者の1つだ。
女子大生は、こうした会社のサイトからそれぞれ、出身大学や血液型などを登録する。
利用者とのマッチングは対面式で行われる。
この仲介業者では、毎週土曜日に面談を行っていて、毎回利用客は10人あまり、提供者は20人以上集まるのだという。
利用者は毎回300元(約3600円)の活動費を支払わなくてはならない。
卵子利用者は皆40歳以上で、中には50歳を過ぎた人もいる。
面談は、利用者と提供者が直接会話することはなく、すべて仲介業者を介して行われる。
利用者が求める条件は様々だ。ある客は、有名大学出身で、色白、二重まぶたの女性を希望し、ある客は夫婦ともに一重まぶたなので、一重の女性を求める。
その他、血液型、出身地など、それぞれ自分の条件に合った女子学生を選ぶのだ。
卵子提供が決まると、血液検査やエコーといった身体検査の後、排卵を促すためのホルモン注射が行われる。
今年20歳になる李青(仮名)さんも、卵子提供を行った一人。卵子提供したことを“後悔していない”と話す。
■実態は謝礼などで中間搾取も 李さんは身体検査に合格すると、8日間続けてホルモン注射を打ったという。
注射針が痛かった他は、特に苦痛はなかった。
続いて行われた手術では、腹部に針をさすのではなく、膣から針を入れて採取した。
術後気分が悪くなったが、何日か休むと回復。手術の前に謝礼として“栄養費”を受け取った。
今、李さんは自分の卵子がどこに行ったのか全く知らないし、知りたくもないという。
陽光代孕公司のサイトによると、卵子利用者は総額で5万元から10万元(約30万円から120万円)の費用を支払う必要がある。
内訳は、仲介金が8000元、4万から8万が卵子提供者への謝礼、1万元が病院へとなっている。
もし代理出産を望む場合は、さらに20万元余りを支払わなくてはならない。
ところが、殆どの場合、卵子提供者に支払われる謝礼「栄養費」は5000元前後ということが実情で、病院側への費用も8000元程度だ。
ということは中間搾取が行われているということか。
■実は法律で禁止された闇ビジネス
仲介金の70%以上が、業者の利益になっている可能性もある。
現在、中国国内で卵子提供ビジネスを行っている業者は、少なくとも100件近くあり、従業員数は1万人を超えるという。
毎年、1万家庭以上がこうしたサービスを利用している。
ある仲介業者によると、中国では不妊に悩む夫婦が増えていて、その割合は全体の10%以上。
卵子ビジネスの需要は大きいと言える。仲介業者は法律に触れないために、国内で卵子提供者を見つけた後、香港やタイの病院で採卵や代理出産を行う場合も多いが、こうした病院も、年に数百万元の利益を得ているのだ。
卵子提供ビジネスは、中国同様、日本でもほとんど取り組まれていないが、アメリカでは保険も利く一般的な不妊治療として定着している。
中国でも倫理的な問題があり、法律で禁止されているが、こうした闇ビジネスは、確実に広がっている。