カテゴリ:たわごと
↑ (バルブ・・・です・・オヤジギャグ) 金融関係でも不動産関係でも証券関係でもない業界に身を置いていたので、”絵に描いたようなバブリーな状況”ではなかったものの、今振り返ると 「うん、あれってバブルだったのね」 と思い出すことがある。 当時、私は中堅どころの”電子部品専門の商社”で営業をしていた。 その会社は電線・絶縁素材・基盤に強く、世界中の錚々たる素材メーカーさんと代理店契約を結んでいた。 お客は国内の家電メーカーで、まさにAV(オーディオ&ビジュアルの略です)が伸びに伸びていた時期だった。 今思えば、信じられない数字だが、業務用っぽいかっこいい見てくれの、既存機種となにか一点でも差別化された、単なるハイファイビデオ(なつかしい!)を出せば、月産ベースで6~8万台は確実に、しばらく売れ続ける時代だ。 各メーカーは、とにかく新製品の開発に命を懸ける。 同時並行でいろんなプロジェクトが乱立し、外から眺めていただけでも、技術屋さんにとっては、えげつない状態だった。 試作品という言葉をお聞きになったことはあるだろう。 営業やマーケティング部門から 「こんなん作ったら、売れまっせ!」 という曖昧模糊とした要求が出てくる。 業務用のハイパーな機能を”民間人にも!”というサービス精神を盛り込みたい、という企画もでる。 先月に”他社が新機能として発売”した機能を、2ヵ月後に発売する自社の新製品に、”そんなのは、あたりまえで、もう古いんです”的にシレっと盛り込む必要もある。 それをまず、”採算ベースを度外視して”作ってみましょ、となる。 小さく、軽く、高性能にするため、新素材・新製品をじゃんじゃん試してみる。 カブトムシをペチャンコにしたようなフレキシブル(ふにゃふにゃの)基盤を何種類も作る。 抵抗を極限まで低減させるため、特殊な電線を買いまくる。 けったいな3次元構造のシリコン樹脂製品を作りまくる。 枚挙にいとまなし、といったところだが、”○○電器××研究所の寄生虫”よろしく営業していた私にとっては、オイシい。 ほとんどオーダーメイドで、職人さんの手作りものもあり、超レアものばっかり。 ホントに”金に糸目をつけない”と入手・作成不可能なものばっかりだ。 フレキシブル基盤や樹脂の成型品は”特注の金型”も必要になるので、さらに取引額が跳ね上がる。 納期はキツキツ、いろんなメーカーがおんなじようなことを考えてるんで、取り合いもある。 カブトムシサイズの”フレキシブル基盤を15枚”を新幹線で取りに行ったこともある。 ゴールデンウィークだったか盆だったかだったので 「乗れへんかったら、グリーン使ってもうてもいいですよ!」 とさえ言われた。 単品で10万円以上になると、固定資産台帳に記載する必要があり、幹部社員の決済がいるので、メンドくさい。 試作金型なんかは1基50万円でも平気な領域のしろもの。 担当者が勝手に内部処理できるよう、スパーのチラシみたいに、”ナンでもカンでも9万8千円!”にスライスし、私は深夜までインチキ見積もりを書きまくっていた。 ※そうすればワシラの決済はいらなくなりますので・・・と”幹部社員”に直接依頼されたこともあります(笑)。 苦し紛れに考えた商品名と上代:9万8千円前後が乱舞する大量の発注書類を私に渡す際、資材のおっさん(実際発注する人です)に 「自分ら、また設計と、なーんか裏取引してるな、はっはっは・・・」 とあきれられたものだ。 その対応も、まさにバブリーである。 不正はないにしろ、本来あるべき姿は、私のような業者と設計課の仲に入り、資材部門として見積書を精査し、発注が妥当なのかを判断すべきである。 つまり、1円でも安く効率的に開発が行えないかを、”値切りのプロ”なる資材部門としてチェック、指導する義務があるわけだが・・・。 まぁ、彼も、今晩どこかの納入業者さんに新地に連れて行ってもらう約束なのだろう。 「1秒でも早く業務終了のベルがならんかいな」 と気が気ではなかったようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.30 13:23:58
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