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カテゴリ:日常生活
ミャンマーはタイと国境を接する国。
そのミャンマーで大規模な反政府デモが行われているのはご存知かと思います。 燃料の公定価格引き上げに端を発したと報じられていますが、 では、どのくらい引き上げられたのでしょうか? 8月15日、ミャンマー政府はガソリンの公定価格を、 1ガロン(=約4.5リットル)当たり)1500チャットから2700チャットへ 引き上げました。 すごいでしょ?1.8倍の値上げです。こんなに上げたら、日本でもデモが起きますよね。 しかし、ミャンマーは2005年10月にガソリンの公定価格を180チャットから 1500チャットにあげています。なんと、約8倍! このときには、今行われているような大規模なデモはありませんでした。 では、何故今こんな状態になっているのでしょうか? そもそも、今回の値上げ前から闇市場では、ガソリンは3800チャットで 推移していました。 値上げ後の価格より実勢価格の方が高いのです。 燃料の割当分(例えば、ヤンゴンでは乗用車1台につきガソリン1日2ガロン)を 公定価格で買って、使い切らずに余剰の出る人はこれを闇市場へ売り、 割当では足りない人は不足分を闇市場から買っていました。 街中にはこうしたガソリン・ディーゼルを販売するお店が、たくさん存在しているそうです。 割当をたくさんもらえる一部の特権的な人々を除いて、燃料はすでに市場価格に 調整されて流通していたんです。 「値上げ幅は確かに大きいけど、足りない分はもっと高いお金を払って買っていたので、 悪政に慣れているミャンマー人にとってそれほどのインパクトは無かったはずだと」 というのが、ニュースの解説でした。 では、何故?理由は、バス料金にありました。 なぜなら、バスは決められた路線を決められた回数走行することを条件に、 必要な燃料を公定価格で割り当てられていました。 そのため、公定価格の値上がりがバス料金の上昇に直結してしまったんです。 それまで、1ストップ50チャットであったバス運賃が100チャットへと値上りしました。 バスでヤンゴン中心部に通勤している労働者は1カ月に26日に通うとして、 毎月1万400チャットのバス代を払っていましたが、これが2万800チャットに なったわけです。 縫製工場の女工さんの賃金が4万チャットくらいですので、 バス料金の値上げは家計に大打撃を与えました。 ※1ドルは実質レート約350チャット(99年9月現在) 話はそれますが、ミャンマーでもお坊さんはタイと同様に尊敬されています。 そのお坊さんも小規模なデモに参加していたのですが、そのデモに対して、 軍が威嚇射撃をし、お坊さんが負傷したという事件も5日に起こっていました。 軍はこの件について謝罪をしておらず、それが今回の僧侶が大勢参加したデモに つながっていったと思われます。 今年に入り、日用品の値上げなどで、ミャンマー国内では小規模なデモが頻発していました。 その都度、参加者は拘束され、今回もたくさんの参加者が拘束されています。 軍事政権側は発砲と殴打、そして主導者の拘束によりデモを鎮圧しようとしています。 約20年続いている軍事政権が倒れるとなるとその反動は大きいでしょう。 軍はそれを恐れて、必死に抵抗するかもしれません。(実際、していますが。) ですが、本当に国のためを思うなら、ここは民主化を受け入れて欲しいところです。 皆さんも、このニュース、注目しておいてくださいね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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