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カテゴリ:タイのニュース
日本でもプーケット空港の閉鎖などが大きく報道されていますが、
反政府団体の市民連合が大規模デモを行っており、 約1万人が26日より首相府を占領しています。 民主主義のための市民同盟(パンタミット)はタクシン元首相に恨みを持つ実業家が 設立したもので、2006年春には数万人規模の街頭デモをバンコクで連続して行い、 政治機能を麻痺させました。 タクシン首相は窮地に追い込まれ、休職を発表しましたが、 その後、なし崩し的に復職したので、同年の9月に軍事クーデターにより失脚しました。 現在の首相のサマックさんはタクシン元首相の代理人であると公言する人なので、 パンタミットにしてみれば、おもしろくありません。 現政権はタクシン元首相の傀儡(かいらい)だとして首相の退陣を要求しています。 昨日までの状況を簡単に説明しましょう。 26日パンタミットは数万人を動員してバンコクの首相府、国営テレビ局などに侵入し、 その後、首相府で座り込みを続けています。 28日からはタイ国鉄労組の一部がパンタミットに同調し、 旅客・貨物列車30便以上の運行を止めました。 29日にはパンタミットの支持者数百人が南部のプーケット空港、ハジャイ空港、クラビ空港を 封鎖し、設備を破壊するなどしたため、3空港は閉鎖に追い込まれています。 (ちなみに、チェンマイ空港は無事です。) また、首相府近くのタイ警察本部が1000人以上のPAD支持者の襲撃を受け、 警察は催涙ガスを発射し応戦しました。 実は、パンタミットの幹部9名にはタイ刑事裁判所が27日に国家反逆準備罪などで 逮捕状を発行しています。 民事裁判所も27日に市民連合に首相官邸からの即時退去を命じる仮処分命令を 下しています。 しかし、幹部はまだ逮捕されていません。 あくまでも私の個人的な意見なのですが、法律に違反する行為が行われており、 裁判所の判断も出ている以上、あとは警察当局により法の執行が速やかに行われるべきである と思うのですが、タイのマスコミは法の執行(幹部の逮捕、強制排除)に反対の論調です。 どういうことかというと、 「タイ人同士なのだから対立は避けるべきだ」 という意見が大勢なのです。 「いや、それおかしいでしょ?」と、つっこみを入れたくなるのですが、 対立を好まず、穏便に事を進めていくのがタイ人のやり方なのです。 その国にはその国のやり方があるというのは、理解できなくも無いのですが、 このやり方は行き過ぎるとルールが軽視されて規律が維持できなくなってしまいます。 裁判所から逮捕状が出ている人を警察が逮捕できないなんて、 まさに、「赤信号、みんなで渡れば恐くない。」状態です。 この問題がどのように解決されるのか、興味津々ではありますが、 クーデターなどの非合法な手段で解決されないことを祈りたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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