カテゴリ:旅
秋の青天に恵まれた今朝は、Pietracupaを散歩しましょう。 Pietra = 石 Cupa = 暗闇の、暗黒の・・・おお、こわい。 「洞窟が掘られた岩山」という意味を持つこの町の名称。 紀元後6世紀に、修道士たちが岩を掘り、そこで生活を始めたことに由来します。 中世(1150年)には、この岩の頂上を中心に80家族もの農民が集まり、Guglielmo家による封建政治が始まる。 1360年、最初の教会San Gregorio建設。 14世紀から15世紀にかけては強い地震が何度かこの町を襲い、教会は崩れてしまう。 1695年、岩山に添うようにして現在の教会、S.Antonio Abateが建てられた。 70年代には、教会の地下にあるいくつかの洞窟の中から、Cripta(クリプタ)が発見される。 古代には住居、宗教裁判所、牢獄、処刑所、そして第二次世界大戦中には防空壕として使われ、その後閉鎖されてしまったクリプタ。 現在は修復され、祭日のミサが行われる町民の空間に生まれ変わりました。 来るたびに閉まっているこのクリプタ。 今回も上の教会でミサが挙げられていたため、残念ながら入ることができませんでした。 また次回のお楽しみとしましょうか。 この町の現人口は、きっと10人にも満たない。 1800年代から、住民は仕事を求めてローマ、ナポリなどの大都市に移りだし、アメリカへ新しい世界を夢見て旅立った人も多かったようだ。 高度経済成長期の後、ますます農文化が消えつつあるイタリアで、こうした小さな町の高齢化、そして過疎化は大きな問題。 Pietracupaに来るたびに、小枝を背負い真っ白な石畳の道を帰途につく老人に出会うたびに、この先どうなるんだろう、と町の未来が心配になるのです。 私はこの香りに満ちた空気が 木枯らし色の屋根を超えて広がる土の曲線が 石畳の街道のまぶしい白が 好き。 美しい静けさが、忘れ去られたものとならないことを、切に願います。 こうしたイタリアの小さな歴史が、消えてしまわないように。
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Last updated
Dec 9, 2007 12:59:43 AM
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