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テーマ:高校野球(3681)
カテゴリ:野球
手元に昭和59年に発行された「甲子園グラフティ I」(朝日新聞社)というがあります。 この本に岡本太郎が興味深い文を寄稿しているので引用します。
「全国高校野球、戦前は中等野球といった。 私がはじめてその試合を見たのは、大正七年、京浜地区の予選で 慶応普通部対横浜商業の一戦だ。(中略) ところが記録を見ると、その年は米騒動のため、せっかく全国から集ったのに 大会は流れたのだそうだ。 大正十三年、甲子園に東洋一を誇る巨大な球場が出来上がり、そこで行われるようになって 一だんと中等野球は花やかになった。(中略) 朝日新聞に関係のあった親父・一平は毎年大阪に出かけて観戦し、漫画入りのルポを書いていた。(中略) 昭和四年、私はまた親父について大阪に行ったのだが、この年、甲子園の外野席がさらに拡大され、大ニュースになっていた。(中略) ことに阪神間の熱気は異様だった。若い者よりもオッサン達の方がえらく熱心。 球場前の駅に、どっとはき出される白い群衆は、ステテコに毛糸の腹巻、大きな財布を 首からひもでつるし、カンカン帽という、東京では見られないスタイルだった。 選手達よりも熱狂して渦巻いている見物席。見渡す限り真白なシャツだ。 巨大な山嶺がつらなっているようなボリュームだった。 「すごい、アルプスみたいだね」 と私は親父に言った。」
ここまで書いてたら今、「文星対関西」がゲームセット。「芸術(サヨナラ勝ち)はバクハツだ」
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