以前、実家に行った時に雑誌「旅」を何冊か借りて(正確には持ち出して)きました。
たまたまその中の一冊、1993年6月号を読んでいたら、定義温泉(ると小屋) と同じくらい謎の温泉説がある「今神温泉」の記事が出ていました。
今神温泉は、山形県最上郡戸沢村にある湯治専門の温泉です。
雑誌「旅」(1993年6月号)に出ていた今神温泉の記事です。
以下、「旅」に載っていた今神温泉の記述を抜き書きしてみました。
『温泉は宿の裏山から石英祖面岩の亀裂から湧き出す含炭酸・重曹・ぼうしょう・弱食塩泉。温度は35,7度と低い。
別棟になっている湯小屋には、神棚に熊野三社権現が祭られている。
神棚を真ん中に三社権現の名と願主の名が墨で書かれた白幡が壁にずらりと奉納され、
20~30人の男女が白衣をつけ、
太い蝋燭に灯をともしつつ、先達さんにしたがってお題目を唱えながら入浴する。
一日四回の入浴は、風呂へ入るというより修行といった感が強い。
およそ15分のお題目が終わると、後は各自が自分の体力に合わせて入浴する。
昔は日帰り入浴や一泊、二泊の客も泊めたが、マナーが悪く、
本気で病気を治そうとする人達が遠慮して入浴しなければならなくなる。
それではせっかくの今神温泉の力が生かされない。そう考えた御主人は、思いきって湯治専門の宿にしてしまった。
今神温泉では「湯あたり」のことを「花が咲く」という。
そしてこの花の咲き方にもいろいろ個人差があるのだそうだ。
〇〇さんのように全身に出る人もいれば、身体の一部分から出る人もいる。背中、わきの下、首の付け根、女性では下りものという形をとることもある。現れ方はどうあれ、この湯あたりが苦しくて、病状を悪化させたと勘違いしたり、耐えられなかったりして帰ってしまう人も少なくないのだ。
〇〇さんはじっと我慢し通した。その結果、あれほどの悪寒や冷汗も、うそのように消え、症状が軽くなったのである。』
どなたか、今神温泉に泊まったことがある方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひレポをお待ちしております~