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テーマ:新年のあいさつ(939)
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皆さま、新年あけましておめでとうございます。 今年は嬉しはずかし、私の干支でございます☆ 十二支という、12をひとつのサイクルとする時間のバイオリズムは、そもそもどこから来たのでしょう。それは天空を約12年で一周する惑星である、木星の動きが基本になっています。つまり木星は、一年で天の12区分の中の1区分を動くのです。木星が古くは「歳星」(さいせい)と呼ばれたのは、このためです。 古代西洋においても、木星は約一年にひとつの星座を運行し、約12年で天空を一周することが知られていました。 ただ、実際の木星は、地上からですと太陽や月とは逆に、西から東へと移動しているように見えます。そのために、木星の動きの反映ともいえる神格化した架空の星を設けて、これを「太歳」(たいさい)または「歳陰」(さいいん)と名づけ、太陽と同じ方向に東から西へ、木星と同じ速度で移動させることにしたのです。この「太歳」の居所につけた名前が、十二支であるといわれています。 十二支の動物たちには、クマやネコなど、もっと古代の人に親しみのある動物が入っていてもいいのにと不思議に思われるかもしれません。それは、実際に選ばれた十二支の動物たちが、実は季節の移り変わりのビジュアル的なイメージと密接に結びつき、そのシンボルとして使われているからです。 子(ね)の文字を分解すると、「了」と「一」になります。つまり、終わりと始まりを表しています。 十二支が、この年からまた始まっていきます。 陰の気が極まった中に、最初の陽の気が芽生えて、わずかに動き出す──ごく小さな、でもそこから大きなものが生まれていく可能性を秘めた動きを、身体は小さいけれど多産な動物であるネズミに昔の人はなぞらえたのでしょう。 新しき 年の始の初春の 今日ふる雪の いや重け吉事 (大伴家持、万葉集、四五一六) おもしろいのは年のはじめの歌が、『万葉集』の終わりの歌であるということです。そこには、『万葉集』全体を祝福するという意味が込められているのです。終わりよければ全てよしで、家持は最後におめでたい歌を据えて、『万葉集』を、さらには日本の和歌がずっと読み継がれていきますようにと祝福しているのです。 祝うの「い」は、実は「忌」の意を持ちます。「いわふ」は、もともと呪術的な行為を言う語で、旅の無事を願って留守中掃除をしないとか、恋人が来るのを待って紐を解かずにいるなど、吉事を求めて禁忌を守る意です。これが後に、幸福を願い祈る意になり、さらには幸福の訪れを喜ぶ意に移っていきました。 お正月は、暮れに大掃除をして家を清め、神棚に新しいお札を納め、門松を立てて、注連縄を張って、元旦を迎えます。大晦日の夜には年越しそばを食べ、一晩中明かして、元旦に若水を汲み御供(重ね餅)を供えて、歳神さまをまつります。家を清め、大晦日は徹夜で身を慎み、若水を汲む、決められた行為を決められたとおりに行うことが、祝う原点だということがいえるでしょう。 元旦に際し、私たちもたくさんの祝福の言霊を作ってまいりたいと希望しております。 新しき年のはじめの初春の 今日降る雪のごとく──良い事重なれ ◆応援ありがとうございます! 今年もよろしくお願い申し上げます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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