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山口小夜の不思議遊戯

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2008年02月26日
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                    本日決戦のみんな、これ飲んで頑張れ!   


 【こいつぁ春から縁起がいいや!】

 年賀状に「きみは常に飢えろ──」と書いてくださったのは、某新聞編集部の次長でした。
 次長──私は今、猛烈に飢えています。

 引っ越した先に隠れた名店が多いことに気がついたのは最近のこと。
 大きな幹線通りに渋滞を引き起こす、行列のできるラーメン屋さん。
 栗のポタージュが絶品! フレンチの小さなお店。
 パティシエ特集があれば、どの雑誌にも載るロールケーキのお店。
 某都知事がご贔屓にしているお寿司屋さん(ちなみに特上は“楓”)
 などなど…

 さて、お店の前を通るたびに、「豆大福は売り切れ」との毛筆のたて看板が板戸に立てかけられている和菓子司があるんです。
 気になってはいたのですが、「売り切れ」ているのだからとなかなか入る機会がなかったのですが、つい先日、我がオットが意を決して店の暖簾をくぐってみたというのです。

 打ち水と盛り塩のしてある清涼な門前。格子戸をガラガラと開けると、店内には客の姿はなく、
 一、犬猫の類は店内に入れぬこと
 一、自分をコントロールできない子供は入れぬこと
 一、当店は豆大福屋ではない
 との墨も黒々たる注意書きの下に、客に一瞥もくれない年配の職人がせっせと手を動かしているのだそうです。

 これはなかなか手ごわそうだと覚悟しつつ店番とおぼしき中年女性に声をかけたところ、
 「豆大福は開店前から行列ができているので、開店時には売り切れている」
 「だがうちは豆大福屋ではないので、一見の客に豆大福は売らない」

 撃退されて、逆にねばるつもりになったオットは、最中と金つばの“たたずまい”をほめました。亭主の方は相変わらず一瞥もしません。おかみさんからは鋭い視線が飛んできます。その日のオットは、出勤前のスーツ姿でした。
 「うちはものの味もわからぬサラリーマンの若造ふぜいに売る品はない」とおかみさん胸を張ります。ならば致し方なし──オットはとっておきの一発芸を披露してみせた!
 おかみさんはそのきっかり1分後に態度を軟化させ、
 「私を頑固者だと思うなかれ。私も奥にいる職人に始終怒られている」
 と先ほどのすげない態度を引っ込めてくれたそうな。だが豆大福に関しては、やはり「ないものはない」らしい。

 一連のやり取りを聞いていたのか、店の奥から職人さんが出てきて、「あんたみたいなお若いのが客に来てくれるたぁ、今年は春から縁起がいいや!」と言ってくれて、最中と金つば、どら焼きまでも持たせてくれたのは大変に有り難いことです。が、豆大福はどうやら本当に売り切れているようなのでした。

 別の知識人に聞くところによると、なんでもこのお店の「豆大福」、ゲストが“お持たせ”を持ってくる某TV番組で絶品との評を受けたそうで、それからそれを求めるお客さんの列が絶えないらしい。

 春一番に際し、我が家ではすでにひとつの明確な目標が定まっています。
 存分に飢える。そして、四代目のあの菓子司の豆大福を心ゆくまで食す。
 さあ、やる気(食う気)満々の春です!


 ◆応援ありがとうございます!
  豆大福ゲットの暁には、是非レボートさせてください☆





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最終更新日  2011年01月13日 11時41分14秒
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