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山口小夜の不思議遊戯

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2008年04月22日
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                     1970年 地に、ひと葉、降りぬ
                    1985年 天に、ひと葉、増しぬ


 『月の猫』最終節●南へ●

 最後に──

 青楓、青柳、青草、葉分けの風。
 季節の言葉。
 青楓は楓の若葉のこと。

 ひかりに満ち溢れ、草分けの風がみずみずしく薫る中、
 君は生まれた。
 
 私は今、この窓から青楓が茂る様子を眺めている。
 幾重にも重なり合う青葉を見つめていると、
 ふと、「結び葉」という言葉を思い出す。

 昔の人は楓の若葉と若葉が重なり合う様子を「結び葉」と呼んだ。
 なるほど、楓は手のひらを広げたかたちにも似て。
 それはまるで、手をつなごうとして懸命に伸ばしているかのよう。

 楓さん。
 君の人生は美しかった。
 君はよい友を得た。

 君が生きて在るとき、
 私たちは毎日毎日、君のことを思った。
 大切で大切で仕方がないと言い続けた。
 愛しているんだと手を握りしめてきた。
 
 だから喪失感には苛まれなかった。
 君を支え続けた誇りと、約束がひとつ、残った。

 楓を知った私たちは、結び葉のように、
 互いに手をつなぎ合おうとしている。
 たくさんの手が楓の手をとり、さらにその手が重なっていくのが
 私には見える。拍手が聞こえる。
  
 これからも、きっと誰かがそっと、
 今日という日に、思いを至らせてくれるだろう。
 永遠の15歳を、祝ってくれることだろう。

  

 ◆応援ありがとうございます! 
  次回更新は箱根用水通水の日、5月初旬を予定しております。 






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最終更新日  2011年01月13日 11時48分27秒
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