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および出身村を記録した古文書の写し ■第九章 八十八文■ 上に掲載した画像、マニアックすぎてごめんなさい(笑)。 でも、私にとっては本当に大切な文書(もんじょ)なのです。あまりの感激に、涙をふりこぼしながら書き写した覚えがあります(←病気だ)。 実は私が箱根用水の研究に手をつけた中三の折、330年以上も前の自分の誕生日に、箱根用水の工事はどんな様子だったのかな、と思い立って、調べたものです。 自分の誕生日である3月26日の記載がある古文書を探したところ、寛文9年、3月19日~4月9日までの人足数および出身村を記録した帳簿が見つかり、所蔵者に写させていただいたのでした。 これは、私がわかりやすくするために表にあらためたもので、一番上段が日付、左端は村名となっています。また、右端は一ヶ村から出した人足数の合計です。 最下段の三行は、一日の人足数の合計となっていて、一に与一の合計(下段から三段目)、二に「甚右衛門計」(下段から二段目)として、ふたりの合計がきちんと合っているか、毎日照らし合わせたことがわかります。そして最後に、のべの人数を出しています。 「甚右衛門」さんとは、与一を手伝って帳簿つけを行った人の名と考えられます。ふたりの集計は、ほとんどぴたりと合っており、その精度の高さが感心されます。 まれに互いの集計が違っているときは、必ず米印をつけて、様々に調査の上、最後に帳尻を合わせていることがわかります。 この帳簿によると、毎日およそ200人の人足が一帯の村々から工事に集まり、3月19日~4月9日の二十日間だけで、のべ3434人が働いていることがわかります。うち、芦ノ湖の水が掛かる予定の村々から3206人が、それ以外のよそ村からは228人が工事に携わっています。 やはり、深良村の動員が最も多い(二十日で420名:右端の合計参照)ことからも、この村の工事に対する熱狂を読み取ることができます。 驚いたのは、名主たちも人足に加わっていることです。 よく見ていただくと、数字の前の○印が付けられています。これは、名主一名が人足に加わっていることを示します(二十年以上も前の鉛筆書きの文書をさらに縮小して掲載しているゆえ、画像が不鮮明で恐縮です)。 また、面白いことに、出自が不明の者(表の下段から四段目)、つまり浪人が何名かが工事に加わっていて、そのことも克明に記載されているのです(二十日間で16名の出自不明者の記録あり:笑)。 まさに老若男女、名主から浪人まで、身分を問わず、箱根用水の掘削事業に携わっていたのですね。 それではお楽しみください。 掘り抜き工事が、いよいよ始まります。 ■第九章 八十八文■ ─── さて、最近、 ──じゃなかった、リビングから見える楓の木が色づき始めています。 秋はもう、そっとそこまで来ていたのですね。 このブログも、おかげさまで三年目を迎えることになりました。 一年目に『鳥取物語』、二年目に『青木学院物語』、三年目に『箱根用水物語』を連載していこうと心に決めたあの日から、皆さまに出会い、支えられて、今日まで、順風すぎるほどの充実した時間を過ごさせていただきました。今でも、更新ボタンを押す際の、震えるほどの楽しさは、寸分も変わることがありません。 どうぞこれからもよろしくお付き合いいただければしあわせです。 さて、前回、「本当にあった怖い話」では盛り上げていただき、本当にありがとうございました。 ところが、けだし「生きている人間が一番コワイ」と、コメント欄で透子さんがおっしゃっているとおり、昨今は私たちの預かり知らないところで、「恐ろしいこと」がまかり通っているようです。 本日はそんな実感として──【生きている人間が一番コワイ;】 皆さまは、「Google Earth」というサイトをご存知でしょうか。 地球のあらゆるところを、鳥のように俯瞰して眺め渡せるという──まさにファンタ~スティク☆(byはるさん)な企画。 住所を入れれば、自分の家も見下ろすことができます。 ここのところ、「Google Earth」で世界の仲間たちのおうちを検索しては喜んでいたのですが(ダルさん、元気~☆)、 「Google Street View」なるサイトを紹介されて以来、楽しかった「検索」にだんだんと恐怖を覚えるように…。 あえてリンクは致しませんが、皆さま、「Google ストリートビュー」を検索して、ご自分の住所を入れてみてください。 首都圏と横浜、主要都市にお住まいの方ならばきっと、自分のおうちがはっきりとした画像で掲載されていることを、なんともいえない恐怖とともに発見されることと思います。 「Google Earth」のような、漠然とした俯瞰図ではありません。まるで、道を歩いていて、その家を眺め回しているかのような、リアルな画像。 使いこなしてみれば、360度、ありとあらゆる角度から、自分の家の姿を見ることができます。 たとえば、わが家の場合、駐車場に車が止まっているのか。子供用の自転車があるのか。表札や洗濯物の有無などから、子供の数、およその世帯人数、どの部屋を子供部屋にしているのか──だいたいの個人情報が読み取れるような画像が掲載されています。それはもう、犯罪の温床になることが自明であるほどに。 もちろん、私も最初、「好奇心」から、検索にハマッてしまいました。 すると、幼馴染の住所など、横浜の場合、私の実家を含めて、全員の家が画像でアップされていました。 そりゃもう、ジュン兄貴しか通らないようなマニアックな路地すら、完全に網羅されています。 住所がわからない場合は、自分の家から目的の家まで、クリックで道をたどって行くこともできます。 一度検索を始めると、何時間もPCの前に座って見入ってしまうほど、それは魅力のある画像の宝庫です。 小学校時代の名簿を持っていて、そこに初恋の人の住所が載っていたならば──わざわざ家の前に行って確かめなくとも、今の時代、住所を検索するだけで、家の画像を見ることができるのです。 なんというドキドキ感! でも、それは束の間で── やっぱり怖いよね。 自分の家の画像が、許可もなく誰でも閲覧できる状態にある、というのが恐ろしいし、憤りさえ感じる。 透子さんのご指摘のとおり、「生きている人間が一番コワイ」と思える状況です。 付記ですが。 現代の怖い話として── グーグルストリートビュー、車から撮っているせいか、速度のいたずらだと思うのですが、「奇妙な画像」も多々、映りこんでいます。 足のない人、首のない人はカメラのせいだとしても── 身体は向こうを向いてしゃがんでいるのに顔はカメラの方を向いている人(この人物とは、画面上で目が合います;)、歩行者の背後に、あり得ない近さで寄り添っている土気色の人物(この画像が一番怖かった;)、線路の向こう側、人の立てない場所に立ち尽くす、ぼんやりとした白い人…(これも怖い;;)。 しばらくして再検索すると、画像が削除されていたりするのが余計コワイよ ご意見、お聞かせいただければ嬉しいです☆ ◆応援ありがとうございます! 次回更新は、9月15日(月)、●貴種流離譚●です。 ご期待ください。新たな登場人物が、箱根の歴史に躍り出ます。 待ってろよ。与一。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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