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【ヒロのダイハード日記・後編】 ■『もうしませんから!』■ 【御涙に成りし神─みなみだになりし神─】 愛する人との死別について、『古事記』に次のような文章があります。 「妻のイザナミノミコトが亡くなったとき、夫のイザナキノミコトが妻の遺体の枕元に這い伏して泣き悲しんだ。その御涙から成り出でた神は、香具山のふもとの丘の上、木の下におられる。その名は泣沢女神(ナキサワメノカミ)──」 (原文)伊邪那岐命詔りたまはく、「愛しき我が汝妹の命を、子の一つ木に易へむと謂へや」とのりたまひて、すなはち御枕方に匍匐ひ、御足方に匍匐ひて哭きし時に、御涙に成りし神は、香山の畝尾の木の本に坐す、名は泣沢女神(ナキサワメのカミ)。かれ、その神避りましし伊邪那美神は、出雲国と伯伎国との堺の比婆の山に葬りまつりき。 私たちの国では、最古の古典に「涙」が描かれています。 御涙に成りし神──なんと美しい言葉なのでしょう。 私たちの原初に宿る魂のうちに、涙も神様であるのです。 過ぎ去る時代の陰で、どれほど多くの涙が流されたことでしょうか。 けれども、そのひとつひとつに、神が宿っているとするならば── 私は涙の尊さをあらためて深く受けとめずにはいられません。 私たちの涙とともにある神。 願わくは、神は私たちの涙とともにあってほしい。 本日の日記は、奈良の友人を思いつつ書き綴りました。 ──『箱根用水物語』■第十三章 酒井雅歌守■登場人物解説── ・酒井雅歌守の妻、お奈々の方の初出はこちらです。 ・酒井雅歌守の初出はこちらです。 ◆応援ありがとうございます! 次回更新は12月1日(月)●掘り抜き●です(七日以降の可能性も)。 舞台は箱根に戻します。いよいよ、掘り抜きに鑿の音が響き渡ります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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