先生っ! それ、波じゃなくて砂ですから!
■第二十三章 流れるものたち■
【オーストラリアに行ってきましたv】
遅すぎた感が否めませんが;改めまして豪州行のご報告をさせてください☆
「他人の旅行話なんて、こっちはちっとも面白かねぇや」
(と心の中でつぶやいたそこのヒロ! おそらくは君が正しい:笑)
今年二月から三月にかけて、われわれ三人家族と私の母の四人は、オーストラリアはクイーンズランド州、ブリスベンに行ってまいりました。
オットの仕事についていったかたちになるのですが、未亡人である私の母までもオットが連れていってくれたことに感謝しています。
もとは英文科の母。いつも気丈で元気な母ですが、母は外国でさらに元気が増すことに気づかされました。また、オーストラリアは私が結婚前に家族旅行をした思い出の国。母もスイートなメモリーの数々を、現地で楽しく思い起こしていたことでしょう。
さて、私たちの滞在先はこちらでしたv
クイーンサイズのベッドが三台あって、キッチンもついているので充分快適です。バルコニーにも椅子テーブルが置いてあるので、朝食などはまさにリゾート気分☆
白いオウムや、ジョージと呼ばれる爬虫類くん(←ヒカリではない)も、食卓を訪問してくれます。実は「ジョージ」については、出国前に黒井蓮華さんと「向こうで出会ったジョージと昼下がりのジョージに──なんてことになるかも」みたいなシュフ的会話をしていたことを知っているオット──
ついたなり、レセプションのミスターに「うちで飼ってるジョージ、よろしくな!」と紹介されたときには「爬虫類かよ!」とおじさんによくわからないツッコミを入れていました(ジョージについてはこちら☆)
基本的にクイーンズランド大学と宿泊先「セントルチアガーデン」の往復をしていたのですが、学校帰りの夕方にはショッピングモールに寄って食材を買い込み、家族みんなでセントルチアまで歩いて帰る日々──本当に楽しかった。
官僚だった父が、本当はアメリカで「巨大スーパーマーケット」を開きたかったことなど、私が知らない父の一面を買い物ついでの四方山話の間に母から聞いたりもしました。
ブリスベンの人口は13万人で、オーストラリアでも第三目に位地する都市なのですが、広大な国土の上では非常に小ぢんまりとした街に見えます。
ブリスベン川という大河に沿って街が展開しているので、移動はCity Catという渡し船がもっぱらとなります。船の場合、行き先が「←あっち(ブリスベン市内)」と「こっち→(クイーンズランド大学)」の二方向だけなので、オットのような重度の「方向音痴」でもまず間違うことはありません。ありがたやありがたや。運賃も初回に「Go Card」という「パスモ」みたいなカードを船内で手続きの上、手に入れればいいのでベンリベンリ。
ブリスベン川に沿って、人工のラグーンが延々続いていて、子供連れの家族がのんびりと水遊びをしています。川沿いにはオープンスペースのレストランが軒を並べているので、子供たちの水浴びを見守りながら、優雅にランチしている夫婦もいます。
私は夕暮れのブリスベン市街を見ながら、リバーサイドでディナーと洒落込むのがお気に入りでした☆
桟橋からシティキャットに乗ってしまえば、夜景を愛でているうちにセントルチアの岸辺まで連れて行ってくれます。
週末のアクティビティとしては、モートン島とゴールドコーストに行きました。
ゴールドコーストのDFSでは結婚十周年の記念として、普段は手も出せない「ブランド物のバッグ」をオットに買ってもらったのですが、娘の入学式前の保護者会の折、学校から「お母様方は紺か黒の上下で学校にいらしてください。入学式も同じです。ブランド品はお持ちにならないでください。ブランド品を身に着けるということは、“私は持っているけれど、あなたは持っていないでしょ”という意識の表明とみなします」と全員に向けてはっきりと指導があり、私は「きゃ~~~」とばかりに自宅に逃げ戻り、以来、“なけなし”のブランドバッグは箱からも出していないという状況です;
「お母様ルック」について、「なんで紺のスーツばっかり着てるんだろ。○朝鮮でもあるまいし」などと感じていた私ですが、「没個性の強要」というのは私の浅薄な考えであって、全員が同じ服を着ているからこそ滲み出る各々の「人となり」を大切にする校風は従うべきであることと思い直しました。
お! この話題にかこつけて─
保護者会などの席では、なんとなく前列の席が最後まで埋まらないものですよね(笑)。
その保護者会の際、電車の遅延があったのです。
それで、十人くらいの方が遅れてしまったのですが、その方たちが席に着く前に、主事の先生が壇上に立ち、
「皆様、思いやりの心をお持ちください」とおっしゃるんです。
なんだろう…とぽかんとしていると、
「遅刻してきた方を最前列に座らせるおつもりですか。遅刻して恐縮している方に、さらに恥ずかしい思いをさせることは、思いやりのないことではありませんか」と教え諭していただき、本当に、席に着いていた全員が己の思いやりのなさに赤面しながら前列へと座り直した、という一幕がありました。
そうそう、我が家の時事問題が続いて恐縮なのですが─
校舎のトイレは6年生が1年生のトイレを掃除するのですが、上級生のお姉様方がお掃除してくださるので、1年生たちもなるべくきれいに使おうとする、という態度がすでに徹底しているそうです。トイレットペーパーの芯が交換されないで、そのままになっていることは、まずないそうです。
上に立つ者が、下の者のために仕え、力添えをする。それゆえ、下の者は上の者に敬意を払い、自らの行動を律する──この流れが、マナーとともに自然に身につくのは、上級生、下級生にとっても互いに良いことだと思われます。
そこで、オーストラリア旅行を振り返ってみると、「トイレがきれい」という実に羨むべき事実が思い浮かびます。クイーンズランド大学構内だけではありません。ブリスベン市内、オーストラリア国内に至るまで、トイレが本当にきれいなのです。
掃除がまめに為されているのかもしれません。でもそれだけじゃない。
使い方がきれいなのだと思います。
つまり、オーストラリアは正しい躾をされてきた人々が暮らす国なのかもしれません。
トイレについては、本当に感心させられたことのひとつでした。
また、日々シティキャットなどで移動する中で、大学生らしき友人同士、恋人同士の会話のトピックスが、「今、勉強していること」に一貫していることにオット共々、感激してしまいました。
日本の電車の中では、若者たちはまず携帯を見込んでいます。
それが悪いというのではないのですが、ともかく、オーストラリアの若者たちは、携帯を「トランシーバー」の用途にしか使っていないことが逆に印象的でした。
そして、日常会話として「勉強していることを語れること」のしあわせを、日本の学生さんたちにも知ってほしいな、とうらやましく思った。
思うに、私たち日本人って、何においても「凝り性」なのですよね。
携帯だって、本当はオーストラリア他海外の国々でそうであるように、「トランシーバー」的な機能で充分なわけです。どこの国でも、黒くてちっちゃな機械のはず。
でも、日本人である私たちは、デコメはもちろん、携帯の本体をキラキラに「デコ」してみたり、クールでスタイリッシュなかたちにしてみたり──日本人って(いい意味でも悪い意味でも)凝り性
でも、久しぶりに海外に出て、日本人の素晴らしいところも見えてきました。
日本人は「個ではなく全の力」を出し切れる民族性を持っています。
私たちほど、「チームワーク」の力を発揮できる国民性を持つ国はないと思う。
ひとつではなく、全部の力を集結できたとき、恐れるべき国は日本です。
アメリカ在住の韓国人の友人が「青木」を読んで言うんです。
アメリカでも韓国でも、4、5人の友人が親友になることはある。
でも日本では20人からの友人同士が、それぞれの個性を発揮しつつ、全体のために尽くし、まとまった団体を作り上げることができる。そのことが実に興味深い──と。
「凝り性」と「チームワーク」
これが、久しぶりの海外で確信できた、日本人の特長であると思います。
あああ~。また小難しいことを書いてしまった。
コアラの生態に魅せられ、コアラサンクチュアリに日参していたオットをひきずっての帰国となりました。
そうそう! オーストラリアは気温46度!
帰ってきたらトウキョウは4度! その差、42度でした(←合ってる?)
◆応援ありがとうございます!
次回更新は5月15日(金)●交喙●です。
物語も怒涛の終盤を迎えてまいります。
◆明日より長兄率いる一党とともに、
天地人の郷にて山渡る生活に入ります(助けて~)。
皆様、素敵なGWをお過ごしくださいvv
5月1日、ピカチュウと鯵の南蛮漬け^^
5月7日、(ちょっと遅いけど)こいのぼり弁当v
5月8日、モンスターボール、ゲットだぜv
5月11日、ポピーさんと三匹のこぶた弁当v
5月12日、チューリップの妖精さん☆
5月13日、チューリップ畑v
5月14日、ぴよちゃんたち☆