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轟音を響かせて水が落ちることから、この名が付けられたといわれています。 ■第二十九章 水、水、水■ 皆様、今回の日記は「ヒカリレポート」をアップしようと考えていたのですが、満を持して、秋以降、ヒロの留学レポートと併せて載せることに致しました。 オルゴールさん、共感覚について示唆していただき、ありがとうございます! ヒロのトピックスは「箱根」の完結後、10月以降になってしまうかと思うのですが、どうぞお許しください。 それというのも、私は今回の「ヒカリレポート」について、細心の注意を払ってまとめ上げたいと考えております。 お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、最近、TVのニュース番組はもちろん、バラエティ番組でさえも、ある「発達障害」について特集を組んで、立て続けに放送しています。この「発達障害」について、最近になってやっと注目が集まってきたということでしょうか。通常発達者の理解を得るためという観点においては、非常に有効であると思われます。ありがたいことだと思います。 先週、あるニュース番組では、「発達障害」を苦に、今年五月、自ら命を絶った男性の五ヶ月間が特集されていました。 私はこの番組から目が離せなかった。それは前回の日記の「K」と同じ悩みを抱え、Kと同じ結果をたどった人の記録でした。 ここで指す「発達障害」は主に「高機能自閉、アスペルガー症候群(AS)、学習障害(LD)、注意欠陥多動(ADHD)」に分類され、ふたつ以上の症例を併発している人も多くみられます。 わかりやすい例を挙げるならば、チャンピオン及びジャンプ大好きっ子の英が「こいつはゼッタイASだ」(ちなみに英は「ADHD」の診断が下りています)と言って見せてくれたマンガ「DEATH NOTE」の「L」という登場人物は、私から見てもかなりの確率でASの診断が出るであろう人です。特徴的な姿勢、誰に対しても同じ調子の喋り方、一定の食べ物を食べ飽きるということがない、何ヶ国語も話せる抜群の記憶力と秀でた論理的思考能力、異常に高い知能指数──私の身の回りにいてくれるASの人と、特にたたずまいが似ています。 アスペルガー症候群を定義付けたオーストラリアのアスベルガー小児科医自身、「とても変わっていて魅力的な子供たち」と言っているように、私もASの友人に同じような気持ちを持っています。 ただ、TVの特集を見る限り、ASの人はその外見や言動がユーモラスに見えて、実は非常な葛藤を秘めているなど、いろいろな示唆を得たことも確かです。特にKについては、私はK特有の会話文などを、Kなりのウィットに富んだものと解釈していたのですが、もしかしたらK自身は心のうちでは様々な現実が思うにまかせず、苦しく思っていたのかもしれません。そう考えると胸が痛みます。 診断結果の降りていたKは、「青木」の登場人物としてのヒカリに特に親近感を覚えているようでした。そのヒカリも、彼がDocter Degree に上がる際、教授連から指摘を受けて診断を受け、その後、結果が下されています。(その時のことを、ヒカリ自身は「ほめてもらったと思った」と述懐しているのですが) ヒカリについても、万事に飄々としていてパニクらない、突拍子もないことを言ったりやらかしたりするけれど、それがけっこうグループの中では「切り札」になったりする…などなど、わたし的にはその人となりがかなり好ましく見えるのですが、愛、燦々とさんがヒカリについて「フツーの男の子だよ」と評していることからも、ヒカリがその宇宙人めいた外面の裏で、ひとり、周囲からは理解してもらえない不安などを抱いているのだとしたら──松丸が学区を超えてでもヒカリの入る中学に一緒に入学したこと、ヒロがヒカリを常に身近に置いて離さないように、ヒロや松丸にはヒカリの本当はあやうい姿が見えているのだとしたら。私の目は、本当に節穴だ。 ヒカリへのインタビューを含めて、二ヶ月後を目標にヒカリレポートをまとめてみたいと思います。カミングアウト的な内容になってしまうかもしれません。本人の意思を尊重しつつ、書き進めてまいりたいと思います。神から与えられてしまった高すぎる知性を、彼やまわりの人々がいかにしてコントロールすることに砕身しているのか──秋以降、気づきと理解をテーマにしたレポート「天は二物を与える」を、皆様に読んでいただければさいわいです。 (追記) 『青木学院物語』が3000部増刷、第三刷になりました。 応援してくださる皆様、編集者さん、出版社の方々、本当に本当にありがとうございます。『青木学院』の仲間たちはそれぞれに巣立ち、今はみんないい大人です。そして、それぞれの「番外編」「外伝」を作っていっています。どうぞこれからもこの小さな物語を末永くよろしくお願い申し上げます。 ─── さて、本日のトピックス。 隧道を通り抜けた水は、どこに向かうのでしょうか── 【本日箱根用水通水!─箱根用水のゆくえ─】 芦ノ湖に設えられた水門から、芦ノ湖側の隧道入口に水が導かれる。 甲羅伏(こうらぶせ:取り入れ口):芦ノ湖の水はこの穴から取り入れられる
芦ノ湖側隧道入口
深良側出口:長い隧道を通ってきた水は、深良側の出口から姿を現す。
小さな水路を流れていき、深良村を潤す。 黄瀬川は下流の十七の堰に分水する。水掛面積合計は527.165 ha 深良用水の農業用水としての役割と、生活用水としての役割
三島の湧き水は富士山の雪解け水だと思われているが、成分を調べると、
隧道の完成によって、芦ノ湖の水を灌漑用として使用できることになりましたが、新田や畑成田を開発するためには、用水堰の整備が必要です。隧道を流下する水を田畑に取り入れる口を「堰(せき)」といいます。ちなみに、駿東地区の方言の特徴として、濁点の変化が挙げられるのですが、これに準じて「堰」も「せぎ」と発音します。土手は「とで」と発音します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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