『隠れ念仏と隠し念仏』五木寛之
こころの新書シリーズです。(講談社) サンカに興味を持ったおかげで、また五木寛之の本を買ってしまいました。庶民の歴史を残したいという著者のシリーズです。 「隠れ念仏」とは九州南部の鹿児島県などで、三百年も弾圧されてきた信仰。 「隠し念仏」とは岩手県を中心とする東北の各地に見られる信仰。その違いについては簡単に説明できないので、ぜひ読んでください。 なぜ、隠れたり隠したりしたのかというと、念仏を唱えることは一向宗の信者であり、それは身分に関係なく極楽浄土へ行けるという教えで、江戸時代は、一向一揆などを恐れて禁止する藩があったそうです。 また、温暖な九州と冷害で苦労した東北地方の、信仰の根付き方の違いがよく取材されていて、面白かったです。