『徐福論 今を生きる伝説』逵志保
仕事に関係する本は読まないと決めていたけれど織物や蚕の起源を調べていたら、徐福に行きついたので、図書館で検索し、借りてきました。眉つば的な徐福の書籍が多い中、この作者は自ら日本や中国の伝説が残っている土地を歩いて取材しています。秦の始皇帝の時代に不老不死の薬を求めて蓬莱の国(日本)へやってきて中国の技術を伝え、そのまま日本に住み着いた、と言われている人、ですが・・・・・その頃の日本は弥生時代であり神話のレベルの話でしかないと思ってましたが、各地に伝説が伝承されていて、これは昔話の域ではないな、と思いました。中国の歴史書『史記』(司馬遷)の記録が最古とされているけれど、紀元前1世紀頃のことなんですね。まさに日本からみれば、有史以前のこと。末尾の徐福文献一覧には、『史記』から始まって、中国・韓国・日本の文献が520もあり、三か国で共通の研究対象になっていることが分かります。永遠に結論が出ないロマン的なものを感じます「BOOK」データベースよりなぜ今、徐福か/第1部 徐福伝説の現在(徐福を祭る-福岡県八女市山内/徐福を語る-三重県熊野市波田須)/第2部 徐福伝説の歴史的変容(徐福の船出/徐福の日本渡来/揺らぐ徐福の評価/徐福は終わらない)