『「在日」を生きる』金時鐘・佐高信
在日1世の金時鐘と評論家の佐高信との対談です。北にも南(韓国)にも帰れない在日の方の苦悩は多少なりとも察することはできるけど、「よく解る」と言ったら嘘になってしまう。伊藤博文を暗殺した「安重根」は韓国の英雄だが、日本や天皇に対して一定の敬意を表明していたそうで、朝鮮併合反対派の伊藤博文が暗殺されたことで、安重根の意に反しかえって併合が進んだそうだ。とにかく歴史に学ばなければ、過去の過ちを繰り返すことになるのではないかと思う。「在日」を生きる ある詩人の闘争史 (集英社新書) [ 金 時 鐘 ]◆内容◆日本の植民地時代の朝鮮釜山に生まれ、熱烈な皇国少年として育った詩人・金時鐘。一九四五年八月一五日、日本の敗戦を境に、強制された日本語でしか言葉の彩を感じ取れない自身の分裂したアイデンティティに気づく。そして、朝鮮戦争前夜の米軍の政庁下で勃発した済州島での凄惨な弾圧から脱出し、日本に暮らすことになった金。古里との分断、在日社会における南北の断層、差別、数多くの歴史の修羅場を詩人として、教師として超えてきたその抵抗と創作の闘争史を、反骨の言論人・佐高信が聞く。ヘイト事件が後を絶たない現代日本において「在日」を生きることの意味を投げかける、在日一世の闘う表現者の戦後史。