2018年12月の記事一覧 | 本ちょこっとかじり虫

『きみの言い訳は最高の芸術』最果タヒ

図書館では購入してくれないので自分で買いました。エッセイですが、目次ごとに内容がぶっ飛ぶので少し読みにくくて時間がかかりました。こんなタイトルはタヒさんでないと思い浮かばないよね！きみの言い訳は最高の芸術 [ 最果タヒ ]【内容情報】（「BOOK」データベースより）最果タヒ、待望の初エッセイ集。【目次】（「BOOK」データベースより）友達はいらない／宇多田ヒカルのこと／最初が最高系／ガーデニング不条理／きみが友達との楽しい時間のために、ひねり出した悪意について。／過去にないもの。／優しさの天才ではないわたし／感情の娯楽性／運動神経未完成的自我／ネットは河で、きみは石。〔ほか〕

2018.12.31

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『八月は冷たい城』恩田陸

『七月に流れる花』と一対になります。前回は女の子から見たお城の生活、今回は男の子から見たもの。続けて読むと、女子目線と男子目線が微妙に違って面白いかも。八月は冷たい城（講談社タイガ） [ 恩田陸 ]【内容情報】（出版社より）夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。ともに城を訪れたのは、二年ぶりに再会した幼馴染みの卓也(たくや)、大柄でおっとりと話す耕介(こうすけ)、唯一、かつて城を訪れたことがある勝ち気な幸正(ゆきまさ)だ。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数ーー不穏な空気が漂うなか、三回鐘が鳴るのを聞きお地蔵様のもとへ向かった光彦は、茂みの奥に鎌を持って立つ誰かの影を目撃する。閉ざされた城で、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き……? 彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。短くせつない「夏」が終わる。

2018.12.30

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『七月に流れる花』恩田陸

図書館で借りたときは装丁が豪華で薄い割に値段が高い本だな（これは感想か？）という印象でしたが、もう文庫になっていました。不思議な世界観と怖さに背筋が寒くなる内容です七月に流れる花（講談社タイガ） [ 恩田陸 ]【内容情報】（出版社より）坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城ー夏流城での林間学校への招待状が残されていた。ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。城には三つの不思議なルールがあった。鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。水路に花が流れたら色と数を報告すること。少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。

2018.12.28

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『あなたのゼイ肉、落とします』垣谷美雨

ダイエット本ではありません。現在日本の暗部を描いています。貧困や心の病気など、肥満の原因は食べ過ぎだけではないんです。面白い中にもちょっと泣けるストーリー　【中古】あなたのゼイ肉、落とします／垣谷美雨(著者) 【中古】afb

2018.12.26

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『ｉ（アイ）』西　加奈子

「ｉ」という数学の虚数がタイトルになっています。自分は何者か？シリア人孤児でアメリカ人父と日本人母の養子としてアメリカで暮らしていたアイはアメリカ社会に違和感を感じていた。自分で考え、自分の意見を求められる社会で小さいころから両親からも「あなたの気持ちはどうなの？」と、自分の意見を言うように教育されてきた。中学の時に父親の転勤に伴い日本の学校に入る。みんなが同じ制服を着て、同じ行動をする。自分の意見は聞かれない。そんな日本の社会を心地よく思うアイ。シリアでは内戦で大勢の人が犠牲になっているのに、自分は不自由のない生活をしている。そこへ東日本大震災が起こり、自分が生きていることに罪悪感を持つ。西加奈子ワールドの新しい境地というか、世界情勢や自然災害もひっくるめて小説にしてしまうエネルギーに衝撃を受けました。日本人でもないアメリカ人でもないアイの気持ちに寄り添うことは簡単ではないし、結論が出る問題でもないし、見て見ぬ振りすることもできない・・・表紙の絵も本人の作で見ているだけで面白いです。i [ 西加奈子 ]【内容情報】（「BOOK」データベースより）「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。ある「奇跡」が起こるまではー。「想うこと」で生まれる圧倒的な強さと優しさー直木賞作家・西加奈子の渾身の「叫び」に心揺さぶられる傑作長編！

2018.12.22

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『アンマーとぼくら』有川浩

子供のまま大人になったような父。それを冷めた目で見る息子。こういう男性はしっかりした女性と結婚するんですよね。小学校の時に教師だった母を亡くし、北海道で祖母と暮らす息子。カメラマンの父は相変わらず撮影旅行ばかりで家にはいない。母の死後１年もたたずに沖縄の女性と再婚し転校する。義母はすごくいい人なんだけど、素直になれず、父の実母への愛情を疑う。実母が死ぬ前に言った言葉「お父さんは子供なのよ」と、言った言葉を思い出す。素直になれない父と息子。ちょっと泣ける作品ですアンマーとぼくら [ 有川浩 ]

2018.12.20

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『軽薄』金原ひとみ

ちょっと複雑な関係のラブストーリーですね。未来に希望があるのか。それは自分たちで作り出すものなのか？軽薄 [ 金原ひとみ ]【内容情報】（「BOOK」データベースより）十代の終わりに、ストーカーと化した元恋人に刺された過去を持つカナ。２９歳のいま、裕福な年上の夫と幼い息子、仕事での充足も手にし、満たされた日々を送っていた。そこに、アメリカから姉一家が帰国。未成年の甥から、烈しい思いを寄せられる。危うさを秘めた甥との破滅的な関係は、彼らと、彼らを取り巻く人々をどこに運ぶのか。-空虚への抗いと、その果てにある一筋の希望を描く渾身の長篇小説。

2018.12.19

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『それは秘密の』乃南アサ

短編集です。それぞれの心理描写がするどくて読み惹かれます。それは秘密の（新潮文庫） [ 乃南アサ ]【内容情報】（「BOOK」データベースより）美容に狂う前妻と彼女を奪っていった男、なぜ二人は俺に会いに来るのか？なぜこんなに友人の母親が気になるのか？隣室で虚ろで奇妙な音を出し続けるのは何者か？どうしてあんなに不出来な部下に惹かれるのか？なぜ暗闇で出会って顔も見えない彼女がこんなにも愛おしいのか？なぜ、なぜ…。愛とも恋とも言えない、不思議な感情ー。心理描写の洗練を極めた珠玉の短編九編を収録。

2018.12.19

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『メビウス・ファクトリー』三崎亜記

何も考えず、文句も言わず、もくもくと働く人だけを使って稼働する工場。少しでも不満や疑問を持ったりしたら、即排除される。今の日本も似たようなものかなメビウス・ファクトリー [ 三崎亜記 ]【内容情報】（「BOOK」データベースより）「この工場で奉仕するために必要なことは、愛情と使命感を持つことだ」ブラック企業を辞め、妻子を連れて地元へＵターン就職したアルト。町は巨大工場を中心にシステム化されており、住民は誇りを持って働いている。しかしそこで何が作られているか、実は誰も知らないー。アルトたちも徐々に工場の「秘密」に気づきはじめ…。

2018.12.19

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『小保方晴子日記』小保方晴子

小保方晴子日記（単行本） [ 小保方　晴子 ]日記なので時系列です。理研を退職して苦しいときに毎日一行でも日記を書いていたこと、自分を客観的にみることができたのかな。最初の方は自分のうつ経験と重なって泣いてしまいました。これじゃ、死んだ方が楽だ。でも、手記を出版したり、瀬戸内寂聴さんと対談したり、少しずつ前向きになっている様子が伝わってきて安心しました。それにしても、日本のマスゴミは酷いですね。人ひとりの人生を壊しておいて、さらにどこまでも追い回す。そして、それに国家権力のお墨付きが与えられるなんて！　内容を分かり易くテーマ別にしてみました。1.　「理研が論文の投稿料６０ま万円を返還請求」3/20　理研が論文の投稿料６０万円を返還請求することを発表した。「研究の状況を常識的に考えたら、小保方さんにお金の変換をもとめることは絶対にありえない」と言った理研の事務方の幹部はいつのまにかいなかった。3/22　他の人からも「世間から文句を言われないようにするための理研の苦肉の策」と言われた。3/27　お酒が飲めないのに夜は一人でお酒を飲んだ。眠くなることは諦めて、もう寝よう。5/24　三木弁護士「片山弁護士からの連絡でもわかるように、理研は取り合う気がない。払わなかった時に理研がどこまでするのか。わからない」「私が払うのは間違っていると間違っていると思います。絶対に払いたくありません」と伝えた。6/30　弁護士から「訴訟になったら大変だよ。つらい思いをするのは小保方さんだけ。訴訟でボロボロになっても得るものは何もない。理研はお役所仕事を続けるだけ。小保方さんだけが時間も労力も奪われて疲弊する」弁護士が見方でないことに驚く。7/5　銀行へ行き理研への支払い手続きをした。本当にこれでいいのか。でも、支払った後、間違った判断をした、とはっきり感じた。腐乱した死体より悲惨な状況があるとすれば、それは今のわたしだ。こんな日を迎えるくらいならもっと早くに死んだほうがマシだった。私個人のつぶやき：　論文の責任者でない小保方さんが支払ったことに対し、マスコミは理研に対しなぜ間違っていると反論しないのか？　2.　「博士論文の再審査」6/2　早稲田の指導教官の先生が入院している病院へ来た。「論文の再提出しても、学科内の審査を通るのはとても難しい状況」「強硬に反対している先生たちがいる」「不合格にするための理由も決まっている『論文の内容が博士論文に値しないと判断された』と結論するだけ、それで終わり」「博士論文に問題があった学生が大勢いて、小保方さんより広範囲に問題があった子もいたんだけど、その子たちは訂正したっていう書類にサインすれば終わり。審査委員会が立ち上がって再審査にかけられるのは小保方さんだけ」（その後論文の再提出のため体調が悪いまま退院する）6/23　私の博士論文の内容は一度大学で正式に審査を受けて合格したものだ。もし当時の先生たちの審査に問題があったとしても、ほかの学生たちも同じ基準で合格している。しかし、先生たちの目に私が疑わしいからという理由で、今回だけ審査の基準を変えることに先生たちは正当性を見出している。大学側の審査の不備もすべて、私個人の問題にすり替えられているように思えた。何より今は、私に疑いの目を向けることも、私にだけは審査基準を変えることも当然のように是認されるこの世界にいることがつらくてたまらない。8/28　指導教官から「合格の判断を世間に委ねるのはどうか、という意見も出ている」と言われた。世間に迎合した結果を出したい、という告白のよう。教育者として、教育機関として、完全な責任放棄の発言だ。10/29　学位取消しが決定したというリーク情報の記事が出た。学科内に平気でリークする人がいる、と以前に指導教官が漏らしていた。「先に世間に認知させることで、もう何を言っても決定が覆らないようにするためだ」と知人に言われた。弁護士が大学へ問い合わせると「既に一部報道機関が憶測により記事を掲載しておりますが、本学としては記者会見までは一切の情報を発表しておりません」とのメールで回答。ところがこのメールに文科省とのやり取りしたメールが添付されていた。11/2　学位取り消しについて早稲田大学が記者会見。11/3　今回の大学の決定には文科省の意向も反映されたのではないか、と弁護士と先輩たちの意見。私自身は、論文発表の記者会見から検証実験まで、文科省の存在をさまざまなかたちで感じ続けていたので驚きはしなかった。大きな権力に振り回されることによって何ができるわけでもない。11/12　三木弁護士から早稲田大学に対して訴訟を考えたらどうか、と提案された。学位が取り消されるための要件を満たしていない。大学の判断で一旦授与した学位を取り消すことの法的可否は「不正な方法で取得したか否か」のみが論点で、それを立証しなければならないのは大学側であること。世間はそれを理解していない。大学側はそのことを巧みに利用して、マスコミにこちらの科学的立証が不十分であったかのように報道させている。しかし、一旦授与した後に取り消す以上は、授与以前に不正な方法で教授を騙したことを大学が証明しなければならない。そして、それは困難であると思う、という説明を受けた。理不尽なことに正しい判断を下してもらうのに、さらなる負担を強いられるなんて。私個人のつぶやき：　早稲田も名をおとしたな！3.　「新聞社とのやりとり」6/4　大手新聞社から、これまでの私に関する報道を覆すような内容の記事を７月２日に出す予定だという連絡があった。その記事が出れば、理研が請求している６０万円の支払いも、私にだけ求められている博士論文の再審査もいかに不当であるか、社会は理解するだろう、と伝えられた。9/4　以前、今回の真相を掲載すると言っていた新聞社から「掲載を取りやめた」との連絡。社内の上層部からストップをかけられたそうだ。真実であっても社会が求める内容でない、というのが本当のところ。当事者からの言質をとれない、というのが表向きの理由らしい。自分で手記を書くしかないのか。私個人のつぶやき：　新聞社は真実を報道しろ！4.　「手記の執筆」10/27　あの一瞬一瞬を興味本位の人への見世物のようにしたくない。読んだ人に、主観的な私の感情ではなく、その場の風景が客観的に映るように。私個人のつぶやき：　外国からのオファーもあるみたいなので、また研究者として活躍してほしい【内容情報】（「BOOK」データベースより）精神科入院、博士号剥奪、手記の執筆…理研退職からの６５０日間を綴る。ＳＴＡＰ細胞騒動後、死の淵をさまよった孤独な闘いの記録。瀬戸内寂聴さんとの対談を再録（『婦人公論』掲載）。

2018.12.15

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