『浅田真央は何と戦ってきたのか』真嶋 果歩
日本開催のフギュアスケート世界選手権も終わりました。埼玉スーパーアリーナ満員でしたね。日本では真央ちゃんのおかげで人気があるけど、採点競技の裏を知っている海外の人は「フギュアスケートはスポーツではない」と言う人が多くて大会会場はスカスカです。プロトコルとうい採点表がISUのホームページで公開されているので、最近よく見ます。技術点と演技構成点に分かれていて二つの合計がショート、フリーそれぞれの得点になります。技術点はジャンプやステップ、それぞれの要素によって基礎点が決まっていて、きれいに成功すればGOE(出来ばえ点)±5の11段階で加点をもらえる。逆に、失敗すれば減点される。これは素人でもだいたい解る。おかげで、私はジャンプの種類を全部覚えてしまいました。でも、ジャンプの回転不足の判定はジャッジによってだいぶ違うので、あとからスローで見ても「なんで?」と思うことがよくあります。だいたい、カーブしながら踏み切って空中で回って、カーブしながら着氷するんだから90度回転が足りないから減点されるなんて、厳しすぎると思いませんか?180度足りないと素人目にも解ります。全く解らないのは、演技構成点。スケーティング技術や表現力を10点満点で9名のジャッジが評価する項目。ジャッジの中にはスケートの経験のない人もいるそうで、すべて主観で評価するそうです。先日の世界選手権では、女子の上位の選手は、0.03点くらいの僅差でひしめき合っていたので、この主観の演技構成点で表彰台が決まるのではないでしょうか?ジャッジも人間なので、選手の好き嫌いや曲の好き嫌いもあるでしょう。また、自国の選手をひいきしてしまうかもしれません。それが、「スポーツではない」と言われる所以でしょうか。この本にはバンクーバーとソチオリンピックの話がでてきます。真央ちゃんが日本スケート連盟から理不尽な仕打ちを受けてきたことがよく解ります。浅田真央は何と戦ってきたのか フィギュアの闇は光を畏れた (ワニブックスPLUS新書) [ 真嶋夏歩 ]