『続・ペコロスの母に会いに行く』岡野 雄一
「生きとかんば、どげんでんなる!」ペコロスの母の言葉が身に沁みます。前作、2012年ペコロスの母に会いに行く (角川文庫) [ 岡野 雄一 ]の続編です。母を看取ったあとも、気配を感じるペコロスさん。「ウンコしかぶろうが、シッコしかぶろうが、生きとってくれれば良かとたい」 (しかぶる→もらす)ボケがひどくなった母がトイレの壁にウンチをくっつけて、自分の顔にも服にもくっつけていた時、「早く死ねばいいのに」と思ったペコロスさん、小さい頃母から言われた言葉を思い出す。「ウンコしかぶろうが、シッコしかぶろうが、生きとってくれれば良かとたい」「木魚じいさん」の編では「しっかり生きとかんばだめぞー。戦争は知らんうちに来っとぞー。」と、近所の子供たちに声をかける、頭が木魚に似たおじいさん。戦争で2人の息子を亡くしている。「戦争は知らないうちに来る」今の時代と似ているような気がして、涙が滲んできました。続・ペコロスの母に会いに行く [ 岡野雄一 ]