『六月の雪』乃南 アサ
台湾南部で6月ごろ白い雪のような花をつける樹木。日本名で「ヒルギモドキ」 台湾では「欖李」(ランリー)戦前に住んでいた台湾で6月に見た白い雪のような花が忘れられない祖母。その記憶を辿って孫の「未来」が台湾を旅して、日本語を話せる台湾人に助けられながら祖母が見た「6月の雪」を見つける。台湾の複雑な歴史について初めて知ることも多かった。オランダの植民地から解放されたら日本の植民地になって、戦後は中国本土から蒋介石の国民党がやってきて、38年もの間、戒厳令が敷かれ、解除されてやっと30年経った。そのせいで台湾の人は感情を表に出すことができず、みんな無表情になってしまった。以前、東山彰良の「流」を読んだ時も、台湾の歴史を知らないことを痛感した。観光客としてでなく日本人として台湾を旅行してみたいな。六月の雪 [ 乃南 アサ ]