『それでも、陽は昇る』真山 仁
震災三部作<完結編>と、本の帯に書かれていた。あれ、一部と二部を読んでないぞ!でも大丈夫。三部からでも十分理解できる内容でした。阪神淡路大震災で妻と娘を無くした小学校教師、小野寺徹平は東日本大震災の後、応援教師として東北で被災した子供たちと向き合った。神戸に戻ってきて7年。東日本大震災から10年。神戸の経験は活かされたのか?復興五輪なんて言われてもオリンピック誘致に利用されただけで、東北の復興は10年経っても道半ば。聖火リレーは福島から始まったが、復旧した所だけを走っていて、テレビで見ているだけの人たちは「東北はこんなに復興したんだ」と思ってしまう。ただハード面が復旧しただけであって、これは本当の復興ではない。その土地に住んでいる当事者でなければ分からないことがたくさんある。自分だけ生き残ってしまった、という罪悪感からくる「PTSD」などは、阪神淡路大震災のときもあったが、あまり問題にされなかった。この本では触れていないが福島の原発の問題は天災ではなく人災だ。絶対に元の生活には戻れない。被災した人たちの心が健康にならなければ本当の復興はないと思う。それでも、陽は昇る [ 真山仁 ]第一弾そして、星の輝く夜がくる (講談社文庫) [ 真山 仁 ]第二弾海は見えるか (幻冬舎文庫) [ 真山仁 ]