『滅びの前のシャングリラ 』凪良 ゆう
2020年本屋大賞を受賞した『流浪の月』はまだ読んでいませんが、繊細に人間の心の揺らぎを表現する新しいタイプの作家さんです。「一か月後に小惑星が地球に衝突して人類が滅亡する」ことになり、残り一か月をどう生きたか、というお話です。今が生きづらいと思っている人は「明日世界が滅亡してしまえばいい」と、考えているかもしれない。けれど、一か月後に死ぬと分かっていても、人間はその日まで生きなければならない。人間の力で制御できないことに対して人類は何をしてきたか。疫病や地震、津波、原発事故・・・コロナ禍の今、人間は傲慢で哀れだ。滅びの前のシャングリラ (単行本) [ 凪良 ゆう ]