『朱より赤く 高岡智照尼の生涯』窪 美澄
12歳で父に花街へ売られ、旦那への腹いせのようにして小指を切り落とし、映画女優を経て38歳で出家した女性の物語。明治から昭和初期にかけて、まるで物のように親に売られる女性はたくさんいたのだろう。若いうちはいいが20歳を過ぎた頃には旦那を持たなければ生きていけない。当時の男は女を人間と思っていないから、浮気はするし、DVは当たり前。死にたくなるのも分かる。学校へは行っていないが、育てられた叔母から読み書きを習っていたことが唯一の救いかもしれない。日本では今も女性の高学歴化が少子化の原因などと言う政治家がいる。日本だけ世界から取り残されている。朱より赤く 高岡智照尼の生涯 [ 窪 美澄 ]