『燕は戻ってこない』桐野 夏生
29歳の独身女性がお金欲しさに代理母になる話。日本では代理母は認められていないが、海外では法整備されている国もある。イギリスでは報酬をもらってはいけないが、ウクライナとロシアでは商業的に認められている。垣谷美雨『代理母、はじめました』では、代理母がビジネス化した近未来の話だった。男性が自分の遺伝子を残したいという願望は、女性が自身の体を張って妊娠出産するという大変さを考えていないエゴだ。妊娠できない妻の気持ちも無視しているし、お金を積めば貧困女性が子宮を貸してくれると思っている。最後にタイトルの意味が解った。燕は戻ってこない [ 桐野 夏生 ]