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本ちょこっとかじり虫

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2023年09月の記事

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『琥珀の夏』辻村深月

新聞連載で2019年から2年間読んでいたので、断片的にしか覚えておらず、改めて読み直した。<ミライの学校>という自立した子供を育てると言う理念の基、幼児期から親と離れて暮らす団体施設で育ったミカ。親や周りの大人たちのせいで、ずっと心に傷を抱えていた。子供は社会が育てるべきだと親から離して教育して、自分の意見を言える人間になっても結局、外では暮らしていけない。あれは洗脳だったと、本人が悟るときには取り返しがつかない。宗教二世のようだと思った。最後はミカが団体の外で暮らしていけるようなきざしが見えたかな。琥珀の夏 [ 辻村深月 ]

2023.09.27

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『くもをさがす』西加奈子

初のノンフィクション。アンソロジー『私小説』で「Crazy In Love」というタイトルの西さんの作品を以前読んでいたので、コロナ禍にカナダで乳がんの手術をしたことは知っていた。その時も看護師さんたちの良い意味でのアバウトさは伝わってきた。外国で言葉もままならぬ中、抗がん剤治療、両乳房全摘手術、放射線治療、を受けたことは想像を超える困難があっただろう。それをこんな風に文章にしてくれてありがとう。看護師さんの言葉が大阪弁に変換されているので安心して読了できた。くもをさがす [ 西加奈子 ]

2023.09.20

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『滅茶苦茶』染井為人

新型コロナウィルスのパンデミックがなければ、起こらなかったであろう3つの事件。全くつながりがなかった3人が紆余曲折を経て、富士の樹海へたどり着く。タイトルの通り滅茶苦茶な展開だったが、3人は鍋友達になれたのだろうか？チャイニーズマフィアはどうなった？でも、富士の樹海を死体捨て場にしないで欲しい。樹海は、溶岩地盤なので、深い穴は掘れない。夏は涼しいので散歩に行ったりする。暗くて恐ろしいイメージはない。滅茶苦茶 [ 染井為人 ]

2023.09.20

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『ロールキャベツ』森沢明夫

初めての作家さん。地方の大学生5人で始めたチェアリング。景色のいい場所へ椅子を持って行ってのんびりコーヒーを飲むだけ。山の頂上でバーナーで湯を沸かしてコーヒーをドリップして飲んでいる人がいたのを思い出した。青春群像劇かと思いきや、色んな話をするうちにそれぞれが悩みを抱えて悩んでいることが発覚し、解決策を探りながら様々な問題に突き当たる。「生まれ変わるなら、生きてるうちに」という言葉が身に染みた。長渕剛の歌詞に出てくるらしい。ロールキャベツ [ 森沢明夫 ]

2023.09.13

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『とことんざんねんないきもの事典』今泉忠明

ざんねんシリーズも8冊目。よくそんなにネタがあるな、と思いながら、気になって見てしまう。やっぱり面白い。ネコやスズメなど身近な生き物でも知らないことがたくさんある。おもしろい！進化のふしぎ　とことんざんねんないきもの事典 [ 今泉忠明 ]

2023.09.13

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『ぼくがふえをふいたら』阿部海太

独特の色使いがとてもきれい。笛の音と絵が混ざり合っているみたい。人間を含めた地球上の動物と植物が音の余韻を感じて、眠りにつくような感じ。ぼくがふえをふいたら [ 阿部海太 ]

2023.09.13

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『太陽諸島』多和田葉子

3部作の完結編だと思って読んだが、スッキリしなかった。Hirukoと5人の仲間たちはコペンハーゲンから東へ向かって船の旅に出る。でもなぜバルト海なのか？船の上でいろんな会話が交わされるが、Hirukoが一番無口で周りの仲間たちが自論を繰り広げる。国がなくなっても街は残るから国なんかなくてもいい。ロシアの飛地カリーニングラードには上陸できて、サンクトペテルブルクには上陸できずシベリア鉄道には乗れない。どうやって東へ行くのか？そしてHirukoが家になると言う！まだ続きがあるのか太陽諸島 [ 多和田葉子 ]

2023.09.06

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