『我が手の太陽』石田 夏穂
溶接作業とは、卓越した技能が必要で危険を伴う仕事だと、改めて実感した。温度を上げるためにガスバーナーの火に酸素を加える。空気中の酸素では足りない、太陽の温度にするために。考えただけで背筋が凍る。20年間プライドを持って仕事をしてきた伊東の葛藤。簡潔な文章で訴えてくる。エッセンシャルワーカーのようになくてはならない仕事なのに肉体労働者と言われ下請けの仕事しかない。目や肺も悪くなるし、肉体的にも長く続けられる仕事ではない。「鉄は熱いうちに打て」我が手の太陽 [ 石田 夏穂 ]