『女の子たち風船爆弾をつくる』小林エリカ
日露戦争30周年、関東大震災から10年、満州事変が起きた頃から話が始まる。語り手は複数の「わたし」で敗戦から現在まで時系列で語られる。東京の女学生がに集められ、大きく裁断した和紙をこんにゃく糊で張り合わせて風船みたいなものを作らされる。場所は東京に出来たばかりの宝塚劇場。それが風船爆弾だったことを知るのは戦後40年経った後。女学校がまとめた資料や関係者に聞き取り調査した内容が散文的に淡々と語られる。進駐軍のための慰安所が政府の命令で戦後すぐに造られたこと。戦犯が靖国神社に合祀されたこと。辛い読書でした。【中古】女の子たち風船爆弾をつくる/小林 エリカ