Amazonの古書で購入しました。新潮文庫です。前後編。
大学で美術史を専攻した男が、偶然、第二次世界大戦中に行方不明になっていたスペインの画家の絵にめぐりあったことによって、妻とも別れ仕事も辞めてその謎を追求する。
日本だけでなく、世界の過去の色々な事件、歴史の裏が見えてくる。
スペイン内戦、占領下のパリ、ナチスドイツ、戒厳令下のチリ。
一番泣けたのは、チリの首都サンチャゴでクーデターが起きたとき、ラジオのアナウンサーが「サンチャゴには雨が降っています。サンチャゴは雨。注意してください。」と楽しげに喋るところ。外は晴れているのに。「やがて豪雨にかわりそうです。すぐにみんなに知らせてください。」と、繰り返し訴える。
日本の先住民族のことにも触れていて、サンカの話も出てきます。
「風の王国」もよかったけど、こっちを先に読んだ方がよかったかも・・・