《ロストオデッセイ 千年の夢》
厚い本ですが、31の短編で構成されています。
前書にも書かれていますが、
ここに収められた短いお話はすべて、ゲーム『ロストオデッセイ』のために書かれたものである。一千年という悠久の時を生きるゲームの主人公・カイムが出会ってきたひとたちとの記憶でもある。
永遠の生を生きる―すなわち、死ねない男。
私自身ゲームはしないので、作者名だけ見て図書館で借りて、家に帰って前書を読んだとき、ゲームにこんなストーリーがあるの?って驚きでした。
でも、ひとつひとつの物語がそれぞれ完結していて読みやすく、カイムの哀しみを感じさせるものでした。
背景には常に戦争や人間の争い、差別などがあって、限られた生を生きる私たちの哀しみと、永遠の生を生きるカイムの哀しみ、が対照的で心に響くものがありました。