中国民主化勢力の青春と挫折。
前半が天安門事件前夜、後半が北京オリンピック前夜。
前作『ワンちゃん』とはまったく違うテーマなので、読み始めた時は違う作家じゃないか?と思ったくらいです。
前回は「日本語が拙い」と芥川賞選考委員に評されていましたが、今回はそんなものは蹴散らさんばかりの内容で、みごと受賞となりました。
アメリカに憧れ、中国の民主化を目指し大学の勉強もそっちのけでデモ行進する学生たち。天安門事件で挫折し、民主化指導者は国外へ亡命する。残された学生たちは・・・・・
日本に舞台を移し、民主化運動をする中国人。
香港返還に反対、北京オリンピック招致に反対し、署名運動をする。
いまいち解らないのが、なぜ民主化イコール「香港返還反対」「北京オリンピック反対」なのか?
ちょうど、北京オリンピックが終わったところなので、タイムリー!
中国の近代史を知りたいと思った、読後感でした。
題名にもあるとおり、「時が滲む」っていうのはこんな感じなのかな?