ご近所の噂話にビクリとし、警官の姿を見てはドキリとする。理由(ワケ)あって下町は谷中で新生活を始めた芭子(はこ)と綾香。
なぜなら、二人には過去(マエ)があった。
乃南アサの作品は初めて読みました。
スポーツドリンクのように体?いや頭にスーッと浸み込んでくるような。それでいて、内容は非常に重い。
前科のある人が普通に社会で暮らしていくのに、そんなに大変だとは思いませんでした。家族にも縁を切られ、死んだことにするからと言われてしまう。
就職のための履歴書にも本当のことは書けない。空白の期間をどう作るか。
芭子の場合は地方で結婚して離婚して帰ってきたことにしたのだが、実際に結婚はしたことがないので、ついボロが出てしまいそうになる。
出所した人が再犯してすぐにもとに戻る、という話はよく聞くけれど、一度の過ちを一生背負って生きていくんですね。たとえ罪を償ったとしても。
また、お気に入りの作家が増えました。