今、NHKのドラマで放映してますね。
新しい作家さん発掘私にとっては新しいんです。
「市井でこつこつと一生懸命働く人たちをテーマに書いてみたい」ということで生まれた短篇集だそうです。
もともとは児童文学作家だそうで、そっちの方も読んでみたいな。
“犬の散歩”捨て犬の世話をするボランティアの話は、うちも雑種犬を飼っているのでじーんときました。
“鐘の音”仏像に魅入られた修復師の話は、短編ながら日本の悠久の歴史を感じさせるものでした。
不空羂索観音(ふくうけんじゃくかんのん)准胝観音(じゅんていかんのん)
初めて聞く観音様の名前なので、俄か仏教ファンとしては大変興味を惹かれました。
国連難民事務所に勤務している表題作の主人公・里佳は上司のエドと恋愛し、七年間の結婚生活の末、二年前に離婚。そのエドがアフガニスタンで死に、立ち直れないでいる彼女を、エドが救った難民の少女に会ったという記者が訪ねてきて......。
我が儘なオーナーパティシエのために雑務をこなす秘書、捨て犬の世話をするボランティア、時間に追われる社会人学生、仏像に魅入られた修復師。温かなユーモアに満ち溢れた筆致で紡ぎだされるハートウォーミングでちょっぴり泣ける一冊です。